一目惚れ星


金星♀と天王星♅が0度、もしくは120度吉角の時、恋をしやすくなる。
だから、私はこの星並びを“一目惚れ星”と呼んでいる。
最近の鑑定では、この一目ぼれ星に関わることが多いので、どんなものかお話ししたい。

この一目惚れ星の星並びで、注目するのは2重円、ダブルチャートで星を読む時である。
2重円(ダブルチャート)とは、未来予測(トランジット)や相性鑑定(シナストリー)の時に使われる。
まずはこの未来予測と相性鑑定でのこのアスペクトを、そして最後に性格を鑑定するネイタルチャートでのこのアスペクトを解説する。

本当は、60度も吉角に含まれる。だが、この一目惚れ星に関しては、60度吉角は実際に鑑定してみると強くは出ないので、0度(つまり重なっている状態)、120度だけで見ていく。60度吉角の力は少なく、一目惚れの恋の発動には、当たり感が弱いのだ。

【ここでホロスコープ初心者の方のためにアスペクト(角度)のことを簡単に伝えると、星同士の角度が0、60、120度の時は“吉角”と言って、良い働きをする角度。90、180度、つまり直角か、真裏に星が来ると、“凶角”と言って、強く出過ぎて、害になりやすい影響を与える角度。詳しくは私のサイトを見てね。】

まずは未来予測(トランジット)について。
下の2重円は、内側が人のチャートで、外側が進行のチャート(つまり予測してみたい年月日の星並び)である。


内側の金星♀、つまり鑑定したい人が生まれた時の金星♀位置であるが、その金星♀に対し、0度か、120度吉角の場所、A、B、Cに天王星が来た時は、一目惚れ、つまり恋をしやすくなる。

普段、オクテで恋をしないような人でも、この時期だけは案外、ちゃんと誰かに恋をしていたりする可能性が高い。貴重な時期となる。人生における、恋のシーズンなのだ。(ただし、もともと恋愛体質の人の場合はより肉食化してしまう、危険な時期とも言える。)

天王星♅は、ホロスコープを1周回るのに84年の歳月がかかる。ほぼ人生と同じ長さである。つまり、0度、120度の位置に来るのは、人生で3回しかないということだ。ただし、天王星♅の動きはゆっくりなので、一目惚れ効果はおよそ2年間続く。

昭和の時代はこの金星♀、天王星♅のアスペクトを“不倫星”と呼ぶ人もいたらしい。まだバブル時代以前は、女性の結婚年齢はクリスマスのケーキに例えられ、24歳までは高く売れるが、25歳になると、旬を越えて、安売りされると言われたりした。それほど、女性の結婚が早かったのだ。

結婚が早ければ、既婚者としての歳月が長くなるわけで、結婚の後に、この金星♀×天王星♅のアスペクトが来ると・・・恋をしてしまう。つまり不倫を引き起こしやすい星並びというわけだ。

私が20代の頃には、さすがに上のような“クリスマス”ということを意識している女性はいなかったが、それでも私の職場の先輩は、30歳までには結婚すると言って、30歳の誕生日の前の日に結婚式を挙げた人がいた。滑り込みセーフのつもりだったのだろう。それは平成時代の話であるが、今よりは女性の結婚は全般的に早かった。

逆に、金星♀と天王星♅が入れ替わった形、人側の天王星♅に金星♀が0度、120度の位置に来た時も、一目惚れ効果があるようだ。

進行の金星♀が上のチャートのA、B、Cに来た時は、内側(人)の天王星♅に対して一目惚れ星のアスペクトができる。
しかし、進行の金星♀は、天王星♅と違って足が速い。進行の星(トランジット)の影響域(オーブ)はプラスマイナス5度で、合わせて10度の幅の中でしか効果は発揮されない。金星♀は10度の幅をだいたい10日ほどで過ぎてしまう。

それに金星♀は1年でホロスコープ上を1周してしまうので、わずか10日間ほどだが、毎年3回はこの一目惚れ星ができていることになる。毎年3回あるようなものは、それほどインパクトが高いはずがない。効力は無くはないが、あまり期待はしない方がよいだろう。

人側の天王星♅と進行の金星♀による一目惚れ星は、参考程度に読むのがいいだろう。
つまり、未来予測で重視するのは、人側の金星♀に対し、進行の天王星♅が0度、120度のアスペクトを形成する時ということである。

一方、一目惚れする対象は必ずしも人間とは限らない。つまり恋愛ではないこともある。例えば、物や趣味になったりすることもある。趣味を対象としている場合には、その趣味に没頭しているだろう。物に出る場合は、衝動買いに注意したい時期だ。
30代より下の場合は、たいていの場合、恋愛に出ている。50代より上になると、趣味を対象に一目惚れしていることが多い。
韓流の追っかけという形で出ると・・・恋愛なのか、趣味なのか、微妙なところである。

続いては、相性鑑定(シナストリー)での一目惚れ星について。

相性鑑定での2重円では、内側も外側もどちらも人のホロスコープで重ねたものである。

この場合も、お互いの金星♀と天王星♅が0度か、120度吉角を形成している時に、一目惚れ効果を発揮する。
下のチャートの場合、内側の人の金星♀に対し、外側(相手)の人のA、B、Cの場所に天王星♅がある状況を示している。

もしくは、下のチャートのように、内側の人の天王星♅に対し、外側(相手)の人の金星♀がA、B、Cの場所にがあっても、一目惚れ効果は発揮される。

そして、この相性鑑定の一目惚れ星の場合、方向性があり、たいていの場合、天王星♅側が金星♀側に一目惚れする。恋をしている。私の経験では95%以上である。下のチャートでは、120度の例を示している。

この一目ぼれ星による効果は、面白いことにカップルだけではない。

例えば、母親と息子にこの金星♀と天王星♅のアスペクトができているとする。母親の金星♀、息子の天王星♅でこの一目惚れ星ができていれば、息子が母親に一目惚れする。親子の関係で“一目惚れ”という表現は奇妙なので、言い換えるならば、息子は母親のことをきれいな人に見え、好きになっている。

天王星♅は上にも書いたが、ホロスコープ上を1周84年とゆっくり回る星である。

となると、実は息子と同級生、もしくは1つ上、1つ下の子も天王星♅の位置はほぼ同じで、この一目惚れ効果が発揮される。息子たちと同年代の子供たちからは、一目惚れされるということだ。

だから、この母親が幼稚園に息子を迎えに行くと、他の子供たちも、わーっと声を挙げて集まってきてしまうなんてことも起こってしまう。子供たちに人気のママさんになる。

もう少し息子が大きくなって、小学生、中学生ぐらいになると、母親は息子の同級生たちからの一目置かれるようになったりする。息子が友人に“お前のお母さん、きれいだな”と言われることもある。

これらの例は、実際に私が鑑定で聞いた話なのだ。

最後にネイタルチャート、つまり生まれた時にこの金星♀と天王星♅の0度、120度のアスペクトがある人の場合について解説しよう。

例えば、金星♀と天王星♅が120度で吉角を形成している人の場合のチャートは下のようになる。

この人はどうなるかというと、学生時代、モテたという人になる。

何故なら・・・上の母親と息子の例に似たような現象が起こるのだが、天王星はゆっくりとしか動かないので、この人の同級生、もしくは1つ上、1つ下の学年も天王星♅の位置はほぼ同じとなる。
その人たちとの相性を2重円で見直してみると・・・。

同級生や1つ上、1つ下の学年とは“一目ぼれ星”の相性ができることになる。0度でも同じである。
天王星♅のある側が、金星♀のある側に一目惚れするということは・・・同級生たちは、金星♀と天王星♅の120度吉角を持っている人を好きになるということである。

つまり、このアスペクトを生まれつきの星並び(ネイタルチャート)で持つ人は、学生時代、モテたということになる。
実際には、他の星並びによっては嫌われることもあるので、学年全ての異性から一目惚れされるわけではない。
それでも、鑑定していると、この金星♀、天王星♅の0度か、120度吉角を持っている人は、学生時代はモテていたという経験をしている人が多い。

この金星♀と天王星♅の0度、120度の示すほかの意味として、美的センスや趣味がいい意味で個性的というものもある。見かけとしても、ファッションセンスが良いかもしれない。モテていてもそんなに違和感が無いかもしれないが、中には何故、あの人が学生時代モテていたのか、不思議で仕方ないという人もいる。

結論、この金星♀と天王星♅の0度、120度のアスペクトは、持って生まれたかった、羨ましい星並びなのだ。


イラストは生成AIによるものです。