天王星のあるハウス ~アイデンティティを求めるところ~

一言で “私は○○である” と自分を表現するなら、あなたは何をもって語りますか?

つまり○○に当てはめるものは何ですか?

 

天王星というのは、他の星と違って、何とも解釈が難しい。

土星より遠い星は、どれも何とも抽象的だしね。他の星ほど、上手く意味付けできないというか、事象が目に見えにくいというか。

吉星なのか、凶星なのかも本によって違っていたりする。

天王星は、その人の“個性”という意味もある。

天王星のあるハウスは、その人の個性、“アイデンティティの在りか”だったりする。

 

天王星♅のあるハウスについて今回は語ろうと思うのですが、自分の天王星が何ハウスにあるか、ご存知ですかね?

もし知らないようでしたら、まずはネット上の無料のホロスコープ作成サイトでチャートを作ってみてください。

ハウスですので、生まれた時間が必要です。

ハウスの選択はプラシーダスハウスを選んでください。

下がネット上の無料ホロスコープサイトですね。他にもいっぱいありますが。

http://www.m-ac.com/pages/setting_j.php

http://nut.sakura.ne.jp/wheel/horo.html

天王星♅のマークは、上半分が川のように縦線3本で、下が丸です。ハーシェルと言う人が見つけたので、頭文字のHが入っているのです。

 

例えば、6ハウス(労働、仕事の部屋)に天王星のある人は、その人は自分のアイデンティティを仕事に求めるので、“私は弁護士よ”とか、“私は医者よ”とか、まず職業、仕事で自分の存在を語ろうとする。

5ハウス(趣味、アート、恋愛の部屋)に天王星のある人は、自分のアイデンティティを趣味や芸術に求める傾向が強い。だから、普段は会社員をやっていても、“私はピアニストよ”とか、“私はサーファーよ”、“私はゲーマーよ”と趣味で自分の存在を語ろうとする。

8ハウス(受け継ぐもの、一族、親戚の部屋)に天王星のある人は、自分の家族や、配偶者の家族の関係で、周囲から“○○家の娘”という目で見られていたかもしれない。良い意味でも悪い意味でも。良い意味ならば、名家の娘さんだろうし、悪い意味ならば、親が近所の厄介者だったとか。

7ハウス(パートナーの部屋)に天王星のある人は、彼氏や夫、配偶者に自分のアイデンティティを求めていく傾向が出てくる。女性ならば、“私の夫は○○よ”という感じ。

例えば、夫が芸能人や政治家など有名人ならば、その女性は自分の名前を語るより、“私は○○の妻です”といった方がシンプルに自分の存在が伝わることがある。そこにアイデンティティがあるからだ。7ハウスに天王星のある人はそういう状態を求める。

男性ならば、“私は○○の夫です”・・・妻が女優か政治家でもしていれば、そういう自己紹介もあるかもしれないが、実際にはそんな状態は少なく・・・自慢できるような女性を妻にしたがる。

“俺の妻は○○だぜ”というような感じ。こういうのを“トロフィーワイフ“とも言われるけどね。

11ハウス(交遊関係の部屋)に天王星がある人は、友人関係、所属する組織やグループにアイデンティティを求めていく。例えば、自分がサザンオールスターズのメンバーだったら、自分の名前より“サザンオールスターズのメンバーです”と言いたくなるだろう。無名な2軍のプロ野球選手だったら、やはり自分の名前を言うより“ヤクルトの選手です”と言った方が、相手がピンとくる。そんな風に友人関係や組織に、“私は○○のメンバーです”と言うことを求めていく傾向が出てくる。組織だから、広く解釈すれば、自分が勤める会社だったりするかもしれない。

 

でも、こうしてさらに考えを深めていくと、・・・例えば上の7ハウス(パートナー)に天王星のある女性は、アイデンティティを夫に求めるので、こう言ってはなんだが、しょぼい男性とは結婚できない。“私は○○の妻です”と言いたいのに、○○(夫)がしょぼいとね、言えないわけですよ。せめて、私の旦那は大手企業に働いているとか言いたいわけですよ。平たく言えば、自慢できる夫であって欲しいのですよ。

だから、いわゆる普通の男性と結婚した場合、結婚してからは、夫が出世するように尻を叩いたりする。そもそも、自慢できるような男性を探すので、結婚に遅れたりする。

6ハウス(労働、仕事)に天王星がある人は、同じように、しょぼい仕事には就きたくないわけですよ。“私は○○です”って、○○を仕事で言いたいわけですから。あんまり無名な会社で、パートで働いているとは言いたくないのですよ。この人たちは。

 

つまり、さらにこれどういうことかと言うと、
“こだわり” ができる場所でもあるということですね。

 

だからね、6ハウスに天王星がある人は、1つの仕事に就いても、“いや、私の仕事はこれじゃない”って、転職をしてしまう可能性がある。こだわるからね。さらには
“これでもない、これでもない” って転職を繰り返す可能性すらある。

それ故、天王星は、 “変化”
という意味にもなるわけですよ。

同じように5ハウス(趣味、芸術)に天王星のある人は、趣味にこだわるんですよね。

できれば、人と違う、レアで、自慢できるような趣味を持ちたい・・・。

それ故、天王星は、 “変わった”
とか、 “風変わりな” という意味にもなるわけですよ。

 

個性を求めるというのは、
“自分らしさ” を求めるということでもあるだけれど、

2ハウス(収入、所得、稼ぎ)に天王星のある場合、仕事に自分らしさを求める傾向も出てくるが、“稼ぎ方”に自分らしさを求める。稼ぎ方はライフスタイルでもある。だから、自分らしさをライフスタイルに求める。

つまり自分の時間を強く求めるようになったりもする。残業嫌いかも。

また2ハウス(収入、所得、稼ぎ)に天王星のある人は、稼ぎ方に自分らしさを求めるため、フリーランスになっている人が多く見られる。“自分らしさ”
を求める場所は  “自由” を求める場所でもあるのだろう。天王星のあるハウスは、自分がどこで
“解放” されたいかということでもあるかな。

 

ただこうした“自分らしさ”
“自由” といった言葉がすべてのハウスに通じるわけではない。

例えば、8ハウス(受け継ぐもの、一族、親戚の部屋)に天王星のある人は・・・8ハウスが強制の部屋でもあって、自分が選べるわけでもない・・・だから、親や親戚との関りとか拘束感から、自由を求めても得られるようなことは少なく、ただただ子供の頃から、“○○家の娘”と思わされてきたかもしれない。
“解放” されたい場所であるかもしれないが。

 

こうして見ると分かるのですが、天王星の解釈って、ハウスによって言葉を変えていかなければ、鑑定する相手には上手く伝わらないわけですよ。他の星でも言えることですけど、特に個性、アイデンティティのある場所を示す天王星は難しいかな。 

“個性” “こだわり” “変化”
“自分らしさ”  “風変わりな” “自由” “解放” ・・・。

本当は天王星が示すものは、これらをすべて含んだイメージなのです。

だが、そんな単語は日本語には無いから、ハウスによって、言葉を使い分けていく。加えて、鑑定する相手の状況、環境によっても変えていくかな。

 

以下、天王星が何ハウスにあるとどうなるかを一覧の表にしたものです。考え方としては上に書いてきたことなんだけど、まぁ、下のようなシンプルな表現となってしまうわな。

 

1ハウス:自分の個性を自分に中で体現しようとする。自分自身にこだわりを求める。だから、風変わりな人間になりやすい。個性的な人。自由人。

2ハウス:稼ぎ方にこだわりと自由を求める。フリーランスになったり、周囲の人から見て、変わった稼ぎ方をする人だったりする。ライフスタイルに自分らしさを求める。自分の時間を大切、優先する人になる。

3ハウス:学んでいることに自分らしさを求める。人から見て変わったことに関心を持っている。独特な学問。奇妙な好奇心。自由に学びたがるとも言える。

4ハウス:個性的、変わった家に育っている。自分のアイデンティティが家にある。“○○家のお嬢さん”もしくは、“○○んちの娘”と言われていたかも。自由な感覚の家庭を作りたがる。変わった家族を作りたがる。自分らしさを家庭に求めるようになる。

5ハウス:趣味にこだわりがある。自分の趣味を大事にする。スポーツ、芸術鑑賞や創作活動に生きがいを見い出している。アーティストの追っかけをしている。自分らしさをアートやファッションに求める。

6ハウス:仕事にこだわりをもって、大事にする。自分らしさを仕事に求める。個性的な仕事をしている。こだわりが強い分、転職が多くなるかも。

7ハウス:個性的なパートナー。他人に自慢できるパートナーを求める。こだわりが強い分、結婚が遅くなったり、離婚再婚を繰り返すかも。

8ハウス:個性的な親戚。良くも悪くも名を知れた親戚がいるかもしれない。親戚一族からの解放を求める。

9ハウス:海外、宗教などに自分の個性を求める。自分らしさを遠い世界に求める。自由に遠くへ行きたがる人。拡大すること、成長することに自分らしさを求める。

10ハウス:個性的で、自分らしさを業種に求める。風変わりな仕事。自由な仕事を求める。

11ハウス:友人には個性的な人が多い。変わった人に自分から近づいていく。組織やグループにアイデンティティを求め、尊敬や注目を受けるようなところに所属したがる。

12ハウス:自分のことはあまり人に言いたがらない。個性を隠したがる。人に言わないようなエリアで自由や自分らしさを求める。

 

アイデンティティなんて、書いていたら、15年以上前の映画「アイデン&ティティ」という映画のことを思い出した。原作はみうらじゅん。脚本はクドカン。監督は田口トモロヲという素敵なメンバーだ。その主役を峯田和伸が演じている。峯田和伸といえば、銀杏BOYZのボーカルの有名であるが、最近では、NHKの朝ドラ「ひよっこ」の宗男おじさん役で出ていたので、宗男おじさんと言った方がピンと来るかな。峯田さんは、この「アイデン&ティティ」が映画初出演だった。

 https://www.youtube.com/watch?v=bEtzl3ngBzw

まだこの頃は顔の輪郭がほっそりしていて、宗男おじさんと別人だよね。

 

自分らしさとか、自分は何者であるかというアイデンティティには、ほとんどの人が若い時に悩んだことだろう。

えっ、もうアラフィフだけど、まだ悩んでいるって? そうね、鑑定していても、自分は特別な何者かでありたい、どうすれば、自分らしくなれるのかって悩んでいる人は大勢いますわね。

映画「アイデン&ティティ」の予告編はYouTubeに残っていた。

 https://www.youtube.com/watch?v=XoNsFHBvciw

 

例えば、プロとしてバンド活動する人には、

音楽にアイデンティティを求めるもの
⇒ 5ハウスに天王星 という人だけではなく、

ミュージシャンという肩書にアイデンティティを求める
⇒ 10ハウス(肩書、業種、社会)に天王星

グループに所属することにアイデンティティを求めるもの
⇒ 11ハウスに天王星

自由な稼ぎ方、ライフスタイルにアイデンティティを求めるもの
⇒ 2ハウスに天王星

なんていうのも考えられる。

 

ホロスコープが示しているのは、“その通りにすれば、成功する”とか“金持ちになれる”というものではなくて、あなたの自然体な姿なのですよ。ナチュラルな人生像。肩の力を抜いて生きられるスタイル。

本当は、アイデンティティなんていうのは、10個の星をホロスコープ上で読んで語るものなんだけどね・・・まぁ、天王星のあるハウスは、そのアイデンティティを求める場所という言い方が正しかったかな。

アイデンティティという言葉が
“自分” というものを示しているのだが、自分というのは、固定されたものではなく、時間とともに動いて、形を変えるものだからね。言葉や思考では完全にはとらえることはできない。

天王星があるハウスを知ったところで、ホロスコープを読んだところで、“自分らしさ”の件でもがいている人は、そこから逃れられるわけではないけどね。

 

「やらなきゃならないことをやるだけさ。 だから うまくいくんだよ。」

 

ついでに、もっと自分がどんな人間かを知りたい人は、以前書いたブログ「土星のあるハウス ~あなたを律するもの~」もご覧くださいませ。