愛の鉄板法則⑪  冬の朝の毛布星

人は見かけで判断しない方がいいってことがだんだん理解できるようになったでしょ。
見かけというのは、カッコいいとか、かわいいとか、そんな外見だけじゃないわよ。
お金を持っているとか、頭の回転が速いとか、堅実な性格とか・・・、相性診断においては、そういったものも“見かけ”と言っても、言い過ぎじゃないわね。
だって、個々では将来有望そうな人でも、2人で組んだら、まったく別人のような作用になってしまうこともあるんだからね。
さらに良くなる場合もあれば、そうでない場合もね。

で、いわゆる“ ダメになる ”星並びもあるということも分かってきたでしょうけどぉ・・・。

そう、けんかするようになったり、頑張り過ぎて疲れてしまったり、重圧を掛けあったりしてねぇ、そういうカップルで見ていて痛々しいものね。
でもねぇ、痛々しいものだけが、人間をダメにするわけじゃないからね・・・。

えっ? どういう意味かって?

ふふふ、人間には“ 堕落 ”という心の魔があるのよ。
痛みでなく、甘さが人間をダメにするもの。
その星並びが、金星♀×太陽☉の凶角、もしくは金星♀×金星♀の凶角。この2つのパターンの星並びよ。
名付けて、“ 冬の朝の毛布星 ”。
金星というのは、甘えという意味ね。凶角(90度、180度)というのは、英語では“ ハード ”アスペクトで、強すぎて害になるという意味なのよね。薬でも飲み過ぎると、身体に害になるでしょ。お酒も飲み過ぎると、二日酔いになるし、肝臓にも負担かかっているし。甘いものや脂っこいものばかり食べていれば、体型も丸くなって、中性脂肪も増えるし・・・。

甘えも度を越すと、害になるのよね。
甘えの金星♀も強くなり過ぎると、人生や生活に悪い影響が出てくるということ。
だけど、厄介なのは、反省が足りない、止められない・・・。
金星♀の甘えが太陽☉(=本人自身)との凶角(90度、180度)、金星♀同士の凶角というのは、甘えが強く出過ぎて害になるのよ。

その現象というのが、まさに、冬の朝のぬっくい布団の中のあなたの状態なのよ。
起きなきゃいけないのに、“ あと5分だけ、あと5分だけ ”とずるずる布団から出られずにいる・・・。
だってさ、寒い朝の布団、毛布に包まれていることの幸せなこと!
ああ、一生、私を放さないでって感じよね。このまま布団になりたいと何度思ったことか。

ダブルチャートで、現在の運気を鑑定する場合、この金星♀同士、もしくは金星♀と太陽☉の凶角があると、やっぱり甘えの度が過ぎてしまうのよね。気が緩んでしまうというか。慢心してしまうというか。調子に乗ってしまうというか。
では、いつものように、ホロスコープチャートを作ってみましょう。
例えば、このサイトで作成してみてね。
http://www.m-ac.com/pages/doubleset_j.php
内側の円に自分の生年月日を入れてみてよ。「ハウス無し」でいいわよ。
外円は「現在時間」をクリックしてね。
自分(内側)の金星♀と、外側の金星♀ or 太陽☉が90度、180度の凶角。
もしくは、自分(内側)の太陽☉と、外側の金星♀が90度、180度の凶角。
この2つの組み合わせが対象となるのよね。

私のおじさんというのは、もし生きていたら、90代前半ぐらいになっていたんだけど、戦争中に中国で亡くなっているのよね。戦死ですよ。もちろん、私は顔を合わせたことなんて一度もない。で、長男らしく真面目で優秀な人だったらしいんだけど、地雷を踏んで亡くなったらしいのよ。で、その戦死した日のホロスコープを見たら、それほど特別悪い運気はなく、ただ、この金星♀×太陽☉の180度凶角ができていたのよね。油断してしまったんでしょうね。案外、激しい戦闘中ではなく、普段の見回り程度の任務だったかもしれない。大陸の乾いた空気の晴れた日に、草原を歩いていて、空を見上げたら、ゆったりと雲が流れていて、少し気の向くまま歩を進めた程度かも・・・。
戦争中だと、こんな星並びでも命を落としてしまうことになるのよね。
現代人の私たちでは、怠けがちになる、遊びたくなる、緊張感が無くなるなんて形で出てくるから、鑑定していて過去の話を聞いていても、印象や記憶に残っていないことがほとんどね。
それほど、ぬるい 害なのよ。

油断、堕落という甘さが出てしまう星並び。
2人の相性診断で、この金星♀×金星♀、金星♀×太陽☉の凶角があると、“ 冬の朝の毛布星 ”となるのよ。
だらだらと甘え合ってしまう相性となってしまう。
これも上と同じく、ダブルチャートでホロスコープを作っていくのだけれど、内側に自分の生年月日、外側に相性を診たい相手の生年月日ね。今回は金星♀と太陽☉だけの関係だから、出生時間はあまり関係ないわね。適当に12:00でいいわ。
「ハウス無し」ね。
どう? 金星♀と金星♀、もしくは金星♀と太陽☉が90度、もしくは180度の位置になっているかしら? 
180度の方が、凶角の作用が強いわよ。
2人でこの星並びができると、甘えの度が過ぎてしまうようになってしまうのよね。

冬の朝に毛布にくるまれていると、とても幸せな気分になるわ。
“ あと5分だけ、あと5分だけ・・・ ”とずるずるしてしまう。しかし、そのままでは後で急ぐことになったり、下手をすると、遅刻してしまうことは十分に分かっているのよね。昨日の朝もそうだったしぃ~~みたいな。
でもね、頭で“ 悪い ”分かっていても、どうにもその甘い誘惑と心地良さに負けてしまってね。

実際、ホロスコープ講座に参加している人に、金星♀×太陽☉の180度凶角が彼氏と2つできているという女性がいてね、つまり“ W(ダブル)冬の朝の毛星 ”ということなのよ。
本当はこの“ 冬の朝の毛布星 ”の害はぬるいものだから、他の凶角の害であまり目立たなかったりする。この星は伏兵的な、潜んだ存在になりやすいわ。害のある要素の1つという具合ね。
でも、さすがに同じ組み合わせの星並びが2組あれば、その作用はかなり前面に出てくるわけよ。
事実、2人でいると、よく仕事に遅刻したそうなのよ。あと、もともとくされ縁(Tスクエアやグランドクロスなどの強い凶角)がある相性なんだけど、苦しいことがあると、どうしてもこの相手を求めてしまうそうなのよ。つまり、逃避する場所となっていたということよ。生活もだらしなくなっていったんだって。そりゃそうだわな。お部屋の中を想像したくないわ。
“ 冬の朝の毛布星 ”。
“ ダメだ、ダメだ、それはやってはダメだ、うぉ~~ ”
という言葉が、頭の中で何度も湧いてきて、ぐるぐると回るのだけれど、どうしてもついにはそこに堕ちてしまう。
そして、シンジくんのように自己嫌悪に苦悩することになる・・・。

人間の心の弱さを突いてくる星並びなのよ。

でもさ、冬の朝の毛布は幸せなものですよ。
人によっては、これを積極的に選んでしまう人もいるし、そもそも、“ どこかいけないの? 気持ちがいいからそれでいいじゃん? 最後はなるようになるよ。”なんて考えを受け入れている人もいるだろう。

このままでいいじゃん。・・・遅刻してもいいかな。

そう割り切ってしまえば、この金星♀×金星♀凶角、金星♀×太陽☉凶角は、まったく幸せなカップルだったりする。
建設的、生産的ではないけれどね。

あら、いやねぇ、こう書いているうちに私もこれでいいような気がしてきた・・・。
あ、いけない、誘(いざな)われているわ。
ぬくぬく星。
いっそすべてを忘れてしまおう・・・ぬっくいから、目をつぶって、ウトウトと・・・。
まったく魔物の星並びだわ。