Klaus Nomi (太陽と冥王星が凶角の著名人)

太陽(自我)と冥王星(破壊と再生、審判)が凶角で生まれると、悲劇的な人生を歩むのではないかと不安に思っている人から書き込みがあり・・・、悪魔にでも憑りつかれているとでも思っているのかしらねぇ。

まぁ、ここで、太陽と冥王星が凶角180度を組んでいる著名人を紹介してみようと思うのよね。
クラウス・ノミ。1970年代から1980年代の始めに現れ活躍した、天才アーティスト? パフォーマー? 分野としては、音楽なんだけど、どんなジャンルかというと、まぁ、ディスコ、クラブ、オペラ・・・、彼をどう捉えるかはかなり難しい。一度、YouTubeで観てみるといいわね。とにかく派手さもあるけど、ベースにしっかりした歌唱力があるので、今観ても全然色褪せなていないわけよ。曲の作りやアレンジは古い感じがするけど、そこがまた新鮮で、カッコいい!! 前衛的だけど、21世紀の私たちから見ると、全然許容できてしまうというか。分厚いロックが全盛の時代に、かなり個性を出しているから、時代を感じさせないんだよね。
こんな感じ。

いかにも、冥王星、プルートから来た人って感じ。きゃっ、ステキっ。
あらあら、太陽と冥王星が凶角生まれの人を慰めるつもりで書きはじめたのに・・・余計に落ち込ませてしまったかしら?

生年月日は1944年1月24日。ベルリン生まれ。

生まれた時のホロスコープを見てみると、実に太陽、海王星(感性)、天王星(ひらめき、個性)、火星(力)の4つの星で幸運の大三角形を作っている。海王星と天王星が吉角のアスペクトを作っていれば、センスとアイデアにおいて、他の追随を許さないとされている。しかもクラウス・ノミの場合は、太陽、火星とともに幸運の大三角形を作っているんだから、まぁ、この時点で、かなりのアーティスト、表現者と言えるわね。
さらに、木星(拡大)と金星(美)が吉角120度を形成している。芸術的な才能は、人気と富を得るのに十分なほど持っている。
これは完全に芸能界でも、芸術家としても、大スターになる星並び。

でもね、たいがい、吉角だけの人間って、子供の頃から恵まれていて、安穏とした性格になってしまって、飛び抜けた才能を発揮することにはならないのよね。運の流れで、そのまま、ほどほどのスターになってしまう可能性は十分にあるけど・・・。
彼は太陽と冥王星が180度凶角も持っていたのよね。

クラウス・ノミを見ると、一目で感じるけど、ものすごい破壊力があるのよね。突破力というのかな。

天才。
これぞ、太陽と冥王星が凶角の人間の為せる技なのよ。太陽と冥王星が吉角の人間は、権力を握るような高い位につきやすい。凶角は、強過ぎて~、そもそも太陽と冥王星がアスペクトを組むと、天の力が備わってしまうのよね。(もう少し星占いに詳しい人に説明するならば、彼はドラゴンテイルも冥王星と重なっている。ということは、ドラゴンヘッドは太陽と重なっている。これはそうとうなパワーを持っている。)

クラウス・ノミの派手さ、破壊力に目がいってしまうけど、よく見ると、実にいい音感をしているのが分かる。この曲での彼のダンスを見れば、理解できるわよね。身体中がアンテナのように敏感なのね。中盤のパフォーマンスは特にカッコいい。こんなのトーク番組の終わりにおまけで出すようなレベルじゃないと思うんだけど。

1944年1月、ベルリン生まれ。まだこれは第2次世界大戦中。彼は乳児の時期を、戦争末期のベルリンという悲惨な環境で育つことになる。連合軍の空襲とソビエト軍の侵攻で、ほとんど死と隣り合わせで市民は逃げ回っていたような状況だからね。彼の情緒面での生育に影響が無いはずがない。
青年となり、彼はオペラ歌手を目指し、ベルリンの音楽学校を出て、アメリカに渡る。でも、なぜか、生活費を稼ぐための仕事、ホテルのパティシエとしての才能も開花させているのだ。芸術のセンスはずば抜けているからね。金星と木星が吉角を作っている人は、女性を相手にした商売なら、何でも成功してしまうのよねぇ。

そして、音楽の世界へ進むのだが、目指していたオペラとは違った形になってしまう。

彼はどのようにして、オペラからPOPミュージックに流れたのかは分からないけど・・・。

冥王星は審判の星で、アスペクトを持つ人は、まさに天の力に振り回される人。特に太陽(自我)とアスペクトを持つと、天の力を授かってしまう。コントロールのしやすい吉角(イージー、ソフトアスペクト)の人は、権力や地位をするりと受け取って、行使することでしょう。でも、強く出すぎてコントロールの難しい凶角(ディフィカルト、ハードアスペクト)の人は、我欲が異常に強くなってしまうかもしれない。パワーも強い。でも、天はその人生を修正しようとする。その修正の仕方が、これまた、破壊的で強引なのです。冥王星と太陽を凶角に持っている人の中で、人生を強い力で導かれていたと感じた経験を持つ人は結構いるのではないかな? それまで必死に努力して築いてきたものが、一瞬で砂の城のように崩れ去ってしまったような体験。そしてその人の進むべき道へと引き動かしてしまう。一方、太陽と冥王星のアスペクトを持つ人は、はい上がる力も備わっている。だから、その修正された道でまた動き出す。

これ、すなわち“破壊と再生”なのだ。

クラウス・ノミは39歳という若さでこの世を去る。

もし、今、生きていたら、70歳。十分に存命の可能性はあったろう。天才は短命というのがお決まりだからね。
死因はエイズ。
クラウス・ノミはエイズで亡くなった最初の著名人としても知られている。ゲイだったのだ。
当時は、その死の直前の闘病生活は、周囲からの差別との闘いでもあったかもしれない。
あまりに、色の強い人生だった。

天の力が強過ぎて、コントロールが難しいのですよ。太陽と冥王星が凶角(ハードアスペクト)の人はね。強過ぎるが故に、飛び抜けることができるのですよ。

生まれた時のホロスコープで、太陽と冥王星がアスペクトを組んでいる人は、正しく生きること、自分のすべきことは何なのか、を意識していきることが求められるのよ。特に凶角を持っている人は、人生に何度も奈落に堕ちるような体験することになるかもしれない。でも、はい上がるための強力な力も持っているから大丈夫。そして、天はちゃんと、行くべきところへ導いてくれる。それを受け止める。

これ、太陽と冥王星がアスペクトを持った人の運命。

では、最後にクラウス・ノミの死の半年前のLive映像をお送りしましょう。
代表曲?のThe Cold Song 。

クラウス・ノミが、“幸せ”か、“不幸”かという区分で言えば、“不幸”だったんだろうね。
3曲とも共通していることだけど、歌っている時の彼の眼を見れば、分かるわよね。大いに光に飢えている。風景を見ることに飢えていると言ってもいいかな。失望をいっぱい知っている人の眼だよね。

ホロスコープの冥王星の凶角って、だから、本とかの文字で表現されると、どうしても、ツライとか、気をつけようとしか書きようがなくなってしまうのは仕方ないかな。
じゃ、なんで、私がクラウス・ノミを例に挙げたかというと、“感覚的”に分かって欲しかったのよ。

彼は、まぶしいよね。
幸せとか、不幸とか、そんな次元じゃない輝きを放っていて、まぶしいんだよね。

自分のホロスコープが、太陽と冥王星が凶角であっても、凹むことないんじゃないかな。