占いって、ネタバレ?

NHKの「所さん!大変ですよ」という番組を見ていたら、最近の若い人は、映画館へ映画を観に行く時、先にネットであらすじ等を調べていくという。へぇ、そんな、先にストーリーを知ってから行くなんて、面白いんですかねぇ。

私も予告の動画なんかはYouTubeで観たりしますけどね。よく、映画の紹介欄に“ネタバレ”なんて項目がありますわね。で、さすがに、そこはクリックしないようにしているんですけどね。アンタッチャブルでしょ、やっぱり。でも、どうも若い人たちはそこを覗くのが普通のような・・・よくよく考えてみると、“ネタバレ”っていう項目があること自体、“ネタバレ”の需要があるんですよねぇ。

若い人の意見としては、その方が内容をよく理解できてよく味わえて、“効率的”なんですって。

でもですよ、映画というのは、演出上、最初は静かな展開で、だんだんとアグレッシブになっていく、なんてことがよくあるじゃないですか。それは、言ってみれば、映画館では、椅子にしっかり座っていて、テレビのようにチャンネルを変えることができないんで、そんな展開でもついていかざるをえないから、であって、それが映画の内容を深くできる理由と言いますか。・・・しかしながら、さらに言いますと、若い人は、途中でつまらないと、“時間がもったいないから”と席を立ってしまう人もいるんですって。

まぁ、そんな人にはね、先に“後半、思いもしない、大どんでん返しがあって、盛り上がりますよ”って、ネタバレしておいた方がいいのかもしれないですけどね。

同じ番組で他に紹介されていたんですけど、今の若い人は、友人のお誕生日のお祝いに関しても、レストランのメニューやプレゼントも先に写真で伝えてあるというんですよ。サプライズが無い。さらにレストランからのお誕生日プレゼントケーキまで、先に写真を送っておいて、一緒に食事をするのだとか。

つまり、映画にしても、誕生日のプレゼントも、ネタバレさせておいて、サプライズを求めないんですって。いやいや、サプライズは少しあって・・・写真の予告されていたものが、実物となって、目の前に現れて、“わぁ~♡”
みたいな・・・。

今の若い人は・・・。“今の若い人”、“今の若い人”って、何度も言ってる自分が情けなくなりますわね。

で、番組のコメンテーターによれば、“サプライズ”というのは、どきどきすることなんだけど、今の若い人たちにとって、サプライズやどきどきとは、東日本大震災のようにマイナスのイメージが多いと。だから、若い人たちはサプライズに喜びを感じないのでは、と言ってましたけど、そうなのかもしれない。

時代の変化ですかね。

で、私が星占いで鑑定して、世代のギャップを感じるのは、今の恋愛のパターンですよ。マッチングアプリというもので、みなさん、結構な割合で恋愛をしているんですよね。

私の世代の感覚なのかもしれないけど、昔、出会い系サイトなんていうものがあって、それはまぁ、肉体関係に飢えている人たちが出会いのチャンスを求めて、登録していって、犯罪事件も起こったりして、どちらかと言えば、いかがわしいイメージが強かったのですけど、どうも、今のマッチングアプリは、そのハードルが落ちているような。まぁ、昔のように、肉体関係を求めているだけの人もいるでしょうけど、普通に、結婚を前提とする真面目な恋愛も結構、マッチングアプリで成立しているわけですよ。

考えてみると、出会いが無いですもんね。特に今年はコロナで、テレワークになったり、居酒屋なんかに行けなくなったりして、いつもより一層、出会いが無い。

面接も、飲み会も、商品の説明もZoomを介して行われるようになったんだから、そりゃ、恋愛もネットになっていきますわね。

私たちの時代は、今のように便利なSNSもなく・・・だって、今の若い人の中には遊びに行ったりするけど、相手の電話番号を知らないという人もいますしね。まずはマッチングアプリなんかでチャットをして、そのあと、LINEのアカウントを知らせ合って、そこでより親しくなったら、電話番号みたいな展開・・・登る階段が長あ~い。私のようなじいさんには想像できないですよ。だって、私の学生時代なんかは、相手の電話番号ぐらいは、名簿とか、下手すると電話帳なんかで普通に入手できて、でも、いざ電話しようとすると、相手の親が出てきたら、どうしようなんて、1時間ぐらい、電話機の前で頭がくらくらするくらい、ずーっと迷っていたり。住所なんかも、今と違ってすぐに分かったりしたから、実際に行ってみたり・・・もうどきどきすることばかりでしょ。もしLINEなんてあったら・・・軽く声が掛けられたんだろうねぇ、って思ったりもしますが、実際のところはよく分からん。

でも、そんな便利なマッチングアプリなんかを使っているので、圧倒的に出会いの数が多いようで。

で、私のところに相性鑑定の依頼があるわけですよ。特にリピーターさんなんかは、私が、相手はどんな性格で、2人はどんな相性なのかという情報を出すのを分かっているから、依頼の仕方も手慣れた感じになっていましてね、5人の相手を診て欲しい、ってくるわけですよ。

でもって、一人一人はそんなに深くは鑑定しない。

ちょっとでも違うなと思うと、 “次っ” みたいな感じ。

言ってみれば、回転寿司のレーンを回ってくる、お寿司みたい。“次から次へとやってくる”って感じがあるからね、こだわらなくていいんでしょうね。でも、それは、相手の方も同じような状況だから、結構、簡単にフラれることも多いようですけど。

家と職場を行って帰るだけの生活で出会いは少ない・・・それは今も昔も一緒でしょ。

で、出会いを増やすのに、友人の集まりのセッティングしてもらったり、合コンやったり・・・それは昔のスタイルなのでしょうね。そりゃ、マッチングアプリの方が、圧倒的に回ってくる球数が多いし、スマホの操作でできるから、スピードが速く、効率的ですわね。

そこは批判できませんわね、だって、私たちだってアマゾンで買い物するし、都会の人はウーバーイーツを利用するし・・・恋愛だってね、指先でポチっとやれる時代なわけですよ。

さらにそこに星占いが加わると・・・マッチングアプリで、会うことになった人を、その生年月日から性格や運勢、相性まで先に知ってから、話を進めていくなんて、まぁ、ネタバレですわね。

出会いに、サプライズは要らないかな。どきどきは少ない方がいいのかなぁ。

私が星占いでネタバレさせたところで、実際に会ってみて・・・いやいや、サプライズは少しあって、星占いで予告されていた人が、現実に、目の前に現れて、“わぁ~♡”
みたいな・・・。

私が学生時代のように、電話の前で“どうしよう、どうしよう・・・”と、1時間近く苦悩したことを思い出すと・・・あれって、結構、消耗していましたからね・・・どきどきっていうのは、確かにしんどいですよ。

待ち合わせした場所にいなかったら、どうしようとかね。今のように携帯電話すら無かったですしね。

まぁ、そんな石器時代の私から見ると、今の恋愛は洗練され過ぎて、よう分からんのですよ。だから、どう距離を縮めていったらいいですか、LINEのアカウントを聞くにはどうしたらいいですか、と具体的な方法のアドバイスを求められて、答えられないのですよねぇ。

好きな人ができたら、まずは下駄箱に手紙だろう、なんて言ったら、いつの時代のマンガやねんって、笑われもしない。

でも、どうなんでしょうねぇ。

ネタバレは、サプライズやどきどきが無くて、つまらないだろう

・・・なんて、若い人を見下したくもなりますが、よくよく考えてみると、占いそのものが、ネタバレの項目をクリックしているようなもんでしょ。

私自身、なぜ星占いをしているかというと、長い先、中ぐらい、ちょっと先ぐらいの自分の運気の浮き沈みを知りたいからですよ。サプライズはやっぱり疲れるんですよ。年取ってしまうとねぇ。どきどきは、もういいかなってね。

サプライズをなるべく避けて、ぽかぽかの陽が当たる縁側でお茶をすするように、穏やかに生きたいのですよ。

ネタバレしている方が、幸運期とか、不調とか分かっていて、動きが効率的になりますでしょ。

ネタバレしている方が、ストーリーをよく味わえるしね。

 

占い嫌いの人っているじゃないですか。

もしかして、ああいう人って、人生のネタバレが嫌いなのかもしれない。

そういう人の方が人生をワイルドに生きて、サプライズを堪能しているようで・・・

でも、私のようなじいさんは、もう体力が無いから、ちょっとね・・・それに占いの便利さを知ってしまうと、楽ですしね、手放せなくなるんですよね。

アマゾンで買い物するみたいなものなんですよね、きっと。