ドラゴンテイル は 不可侵領域

ホロスコ―プ上には、ドラゴンヘッド、ドラゴンテイルという、それはそれは仰々しい名前の点がある。
龍の頭とか、龍の尻尾ですからね。で、これらは星ではありません。計算上で見つけられたホロスコープ上の点であります。
この点の上で、太陽と月が重なれば・・・つまり新月が起れば、日食になる。

一方、この点の上で太陽と月が180位置になれば・・・つまり満月になれば、月食が起こるという特別な点なのであります。

もともと太陽と月は同じような空のコースを巡っているが、実は少しズレている。しかし、このドラゴンヘッド、ドラゴンテイルの場所では、交差するように高さが一致している。

なかなか文章で伝えるのは難しい。図をもって説明したところでありますが、まぁ、そんな理系的な構造の話は、今日は置いておいて・・・。

このドラゴンヘッドとドラゴンテイルは、そんな日食を予測するために必要で・・・太古の昔は、日食や月食になると、天変地異などの社会不安が起こるとされていたので、その予測は大変重要だったわけですよ。

この2つの点を見つけたのはどうもインド辺りの占星術によるもののそうですが、イスラムを通って、西洋占星術にも入ってきたわけですね。

マークとしては、ドラゴンヘッドはこんなヘッドフォンのような形をしています。

一方、ドラゴンテイルは、下の図のように、ひっくり返した形ですね。

実際、ドラゴンテイルは必ずドラゴンヘッドのホロスコ―プ上の180度位置、つまり対になる逆側にあるので、まぁ、こういった形になるのは分かりやすいですね。


ただ、ドラゴンテイルは、必ずドラゴンヘッドの180度位置にあるので、わざわざ表記していないプログラム、アプリ、サイトも多いです。

ドラゴンテイルのマークが無い場合は、ドラゴンヘッドを探しましょう。その180度位置がドラゴンテイルであります。

ホロスコ―プ上では、このヘッドフォンの中にアルファベットの“T”の文字が入っていることもあります。Tの字が入っていると上下が分かりやすくなりますね。

さて、日食や月食に関わる点ですから、当然、鑑定上では特別扱いされるわけです。

たいがいは“カルマ”とか“前世”との関わりが語られていますが・・・まぁ、私はそういった言葉を使いたくないので・・・。
だって、友人でも、お客さん相手でも鑑定の時に、「前世の行いによって、今のあなたは~」なんて言うとね、オカルト好きの人は食い付いてくるでしょうが、多くの場合は一歩引かれてしまいますね。

ただでさえ、普通の星占い用語でも、一般の会話からすれば遠い世界の言葉なのに、“カルマ”とか“前世”といった類の言葉を出すと、さらに彼方へ、ぐっと遠くなるでしょ。相談者からすれば、恋愛や転職といった現実の悩みの解決のために話に来たのに、突然、まったく知らない奥の怪しい部屋に連れ込まれてしまうような。
“いやいや、それ求めてないです”と苦笑いされそうですよね。

ですから、カルマと前世無しで、どうドラゴンヘッドとドラゴンテイルを解釈していくかというのが、実際の鑑定の場面では必要だと思うのですよ。

ちなみに、ドラゴンヘッドは、前世の良い行いの報酬を受ける場所。
ドラゴンテイルは、前世の悪い行いの償いをする場所とか、借りを返す場所と書かれていたりします。ざっくり言うとね。

で、本によっては、ドラゴンヘッドは“貪欲”と解釈されていたりもしますが、現象としては“増幅”する感じといえるでしょう。

一方、ドラゴンテイルは、“純粋”なんて解釈されていたりするのですよね。

で、私も、この“純粋”とか、“純粋性”とか書かれていても、現実にはどう当てはめて解釈したらよいのか、最初はさっぱり分からなかったですよ。

ただ実際に多くの鑑定をしているうちに、この“純粋性”という意味がつかめてきた。

ちなみに、私が鑑定していて思うのは、ドラゴンヘッドやドラゴンヘッドが各星座や各ハウスに入っていても、それほど影響があるようには見えない。
リアクションが弱いのですよね。
カルマとか、前世といった言葉を使うならば、鑑定の相手からは“そんな気もする”とか、“そんな気もしてきた”といった反応があるかもしれませんけどね。

私は、かろうじて、星と重なっている時には効果の感触があるのですよ。
しかも、人の性質を診るシングルチャートの時だけですよ。

ドラゴンヘッドは、星の性質を増加している、パワーアップしている、執着を強くしていると言えるでしょう。

で、問題は、ドラゴンテイルですね。

ドラゴンテイルに星が重なる場合、
“純粋性”とは、すなわち、その星の性質の純粋性を保ちたがるという意味のようなのですよ。
他人からは不可侵領域にしてしまうというか、
アンタッチャブル領域にしてしまう。
その星に関することは、他の人は触らないで、という性質になる。

例えて言うなら、“殻をむいたゆで卵のように、他の人は触らないで”という感じですな。

例えば、ある人のホロスコ―プで、水星☿とドラゴンテイルが重なっている場合、その人の意見、考え方には口出しするな、という感じになる。

(重なっていると言っても、影響域はプラスマイナス10度、オーブ10度くらいで考えてください。)

このドラゴンテイルにある星は、その人にとって、とても貴重な、崇拝するような“純粋性”を維持したいものになるので、触れると怒ったりすることもある。

つまり、地雷になりやすいということ。

ということで、私が鑑定していて、だいたい分かってきた星とドラゴンテイルが重なっている時の現象をお伝えしましょう。(シングルチャートのみ)

太陽とドラゴンテイル:この人の生き方、人生の目標、ライフスタイルには強く思い入れがあり、周囲の人が口出ししても、聞いてもらえないか、怒り出すかもしれません。

月とドラゴンテイル:この人のプライベート時間、プライベート空間、一人になれる時間、一人になれる空間には他者の侵入を許さない。この人の心を探ろうとしても、固く心を閉ざされる可能性があります。家や家族のことでとやかく周囲から言われることを嫌います。

水星とドラゴンテイル:この人の考え方、意見には周囲の人は口出ししにくいです。怒り出すかもしれません。会社の上司や同僚、部下にこの星並びの人がいたら、面倒くさいですね。また健康管理にもこだわりが強く、家族や友人のアドバイスはあまり受け付けない可能性があります。健康管理のプロの意見は受け入れるでしょうが。

金星とドラゴンテイル:この人の遊び、趣味、恋愛に関しては、周囲の人の口出しはまったく聞かないことでしょう。ただし、遊び、趣味、恋愛のすべてではなく、その中の1つかもしれません。また金星にはビジネスという意味もありますので、ビジネス、仕事のことということもあります。

火星とドラゴンテイル:この人のチャレンジ、勢い、情熱は、誰も止められないかもしれません。もしくはスポーツ、筋トレを止めることができないかもしれません。

木星とドラゴンテイル:この人の自分の仕事のやり方を大事にします。周囲の人は口を出さない方がよいでしょう。意見を言えば、怒り出すかもしれません。また冒険心も一度火が付くと、誰も止められないかも。

土星とドラゴンテイル:この人は、自分に与えられた役割、責任は独りで終わらせようとします。完遂しようとします。お願いごとをすると粘り強くやってくれます。その面に関しては真面目な人でありますが、その他の生活面では真面目とは限りません。

天王星、海王星、冥王星に関しては、まだ正直、鑑定経験データが少なくて、しっくりくる言葉が無いという状況であります。

天王星ですから、こだわりとか、個性といった方面のものでしょう。
海王星でしたら、夢とか、感性(センス)とかといったものでかね。
冥王星は・・・よく分かっていないですね。権力? 

この3つの星になると、動きがゆっくりですので、ドラゴンテイルが重なっている人って、同級生みんなといった感じなんです。そうなると、その学年の傾向ということになるでしょう。

私は、しっくりした言葉で言い表せて、さらに5例ぐらい当てはまらないと、鑑定には採用しないのですよ。
だって、そうでしょ。お客さんは悩んでいて、鑑定依頼されるのに、使えるかどうか分からないものを実践に使うわけにはいかないでしょ。

ですから、天王星、海王星、冥王星とドラゴンヘッドが重なった場合は・・・まだ私の宿題ですね。

イラストは生成AIによるものです。