地球が温かい

毎日が小春日和でね。
冬って感じの日は片手で数えるほどしか、まだない。
名古屋では雪が舞ったのは見たけど、もうすぐ3月。今年は積もることは無さそうだ。
いつも冬より、だいたい5度くらい気温が高いかなぁ。
夏は夏で、 やっぱり5度くらい高かったしね。

星占い師だから、月だの、水星だの、火星だの、木星だの、土星だのって言ってるけど、まぁ、たまには地球のことも気になるわけですよ。
で、私は寒いのが嫌いなので、正直、冬の寒くないのはありがたい。暑いのは結構平気なので・・・といっても、最近の夏の暑さは尋常じゃないけどね・・・夏と冬のバランスはこんなんでもいいかなと思ったりもする。
野菜の豊作で、農家の人には申し訳ないけど、ねぎもほうれん草も安くて、これまたありがたい。

じゃ、本当にこれでいいのかと言うと、複雑だわね。

だってさ、冬に雪が積もることが一度も無いと、子供たちが雪合戦できないでしょ。雪だるまも作れないし。
あれ、結構楽しかったんだよね。個人的な思い出では、小学校の時の雪合戦より、中学校の雪合戦の方が燃えたんだよね。私の中学校3年の時に、皆、受験のストレス解消なのか、雪合戦が流行ってね。また雪がよく降った年だったんだよね。学校帰りは毎日のように雪合戦をしていた。中学3年生ぐらいになると、雪合戦の球の速いこと、速いこと。野球部のやつらも、本気で投げていたからね。雪の球が壁に当たると、へばり付いていたし、顔や頭に当たるとぶっ倒れた。気を失いそうになったもんね。身体に当たっても、服の上からなのに、パンチを受けたように痛くてね・・・笑いが止まらなくなるほど、熱中した。
夏休みの方はと言えば、子供の頃は、虫を捕まえに行ったり、用水路に魚やザリガニを獲りに行ったり。ところが、今は命に危険な暑さなので、子供たちは外に遊びに行かないし、行かせられないし。夏休みはシェルターのように家の中に退避していると。公営プールなんて、気温が35度以上になると、熱中症の危険があるため、閉鎖される場合もあるらしい。夏、暑いからプール入るんじゃないの。でも、体温と同じ水温じゃあねぇ。暑い日に水の中でしゃびしゃびして、プールから上がったら、親に黙って冷たいジュースを飲むというのが子供の幸せでしょ。プールの中で熱中症ってさって、ありえないでしょ。
小学生の時、図鑑で世界の遥か遠い砂漠の国を見ながら、“気温40度のところって、どんな世界なんだろう。こんなところでよく生きていられるなぁ”なんて、その残酷な暑さを想像したもんですよ。今、名古屋でも夏40度近い日が何にも続くからね。

何が言いたいかと言うとね、夏も冬も昔とは風景が変わっちゃったでしょ。気候が変わってね。これからの子供たちに、そういった昔からの季節の遊びができなくなるのが、なんだか、つまらなさそうでね。私がただ淋しがっているだけかな。
で、これ、誰のせい? となると、私らのせいということでね。

じゃ、何故こんなにも暖かいのか、暑いのかということになるのだけれど、この構造的には2つ考えられていて、
1つはヒートアイランド現象。
もう1つは地球温暖化。
この2つが組み合わさっている感じかな。

ヒートアイランド現象とは、エアコンや車の排気、ビルや建物の太陽の反射熱など、人間の活動によって熱が都市部などに溜まってしまう状態。
エアコンで、夏に冷房することを考えると・・・6畳の部屋の温度を2度下げると、外の室外機から、その6畳の部屋と同じ容量の空気を2度以上上げる熱気を排出している。冷房に関しては、冷たい空気も出す分と同じだけ熱い空気を外に出している。つまり部屋をマイナス2度すれば、外の同じ量の空気をプラス2度以上にしているというわけ。
で、みんながエアコンを使うと、その地域はどんどん気温が上昇し、外の空気が暑くなるから、さらに室内は温度を保とうと冷房を使うと、さらに熱気を外に出し・・・悪循環ですわな。
あと車のエンジン熱とエアコンの排熱もあるしね。そりゃ、熱くなるわけですよ。

昔はね、熱の量が少なかったから、自然が吸収できたというか、ごまかせたというか。
例えば、ごみに関してもね、ずっと昔の時代はごみを捨てても、自然の力によって知らぬ間に分解されていくから、人も平気でポイ捨てをしてきたわけですよ。でも、人間の数が増えて、ごみの量も増えて、とてもそのポイ捨てを自然では受け止められなくなってしまった。プラスチックなんてなかなか分解されないしね。どんどん溜まっていくと。いつからか、そんなことに気づいて、ごみのポイ捨ては止めましょうとなっていったわけですよ。まぁ、そんな中でも、昭和50年くらいまでは、平気でごみのポイ捨て感覚って残っていたような気がしますけどね。
川の汚れは分かりやすかった。生活排水でヘドロだらけになった。水が臭くてね。みんな悪気なく、汚れた水を平気で川に垂れ流していたからね。で、今は下水道が普及したと。
で、今は、同じような感じで、“熱のポイ捨て”が行われているということなんですよ。
熱い空気を外に出したって、自然と消えていくわ、と今だに考えている人は多い。が、実はそうではなかったということだ。人が多く住んでいる地域で排出される熱量があまりに多く、自然では何ともならなくなってしまった。実はどんどん外に熱が溜まっていると。でも、まだその感覚があまり広がっていない。目に見えないから、分かりにくい。だから、罪悪感も無い。
で、熱を外にポイポイ捨てている。

また昔と違って、電気とか、ガスとかを多く使うようになったからね。
暖房だって、火鉢や石油ストーブしか家になかった時代とは大違いで、スイッチ一つでどれだけ家の中を暖めていることか。どんどん熱を起こしている。温まるため以上に熱を起こして、外に捨てている。
まぁ、そういう私も、朝、顔を洗う時、温水でないとかなりつらい。子供の頃は、平気ではないけど、冬でも水で顔を洗っていたのにね。瞬間湯沸かし器で焚いたお湯を、だらだらと使う生活が当たり前になってしまった。
熱を外にポイ捨てして、外が暖かくなっている・・・こんな話は冬には“それでいいじゃん”という話に聞こえるかもしれないが、実はヒートアイランド現象は、夏よりも冬の方が地域の温度を上げているらしいのだ。そりゃ、小春日和も続くわけだ。冬の気候が暖かい原因は、あなたの生活“排熱”のせいでもあるんですよ。しかも下水道が水の汚れを取るように、熱を吸収する装置、しくみ、システムはまだできていない。
この“ヒートアイランド”の命名は、気象庁気象研究所の所長さんだった原田朗さんが、温度が上がっている地域の分布図を見て、“まるで、島のようだな”と言ったことがきっかけと聞いたことがある。原田さんという人は、乗馬が好きて、防衛大学の教授もやられた方だが、数年前に亡くなられた。

暖かくなっている原因のもう一つは、地球温暖化。
地球全体に熱がこもって、温かくなっているというもの。二酸化炭素などの温室効果ガスが原因と言われるが、実は気候の変化についてはかなり複雑な構造をしているので、あくまで仮説の1つという域の話。アメリカ人はあまり信じていないように思われるが・・・。

でも、まぁ、異常気象が多くなってね、やっぱりおかしなと。で、人間が主にエネルギーを作るために燃やす化石燃料からの二酸化炭素が原因じゃないかとおおよそ考えられている。
でね、これ、もし、この地球温暖化が人間由来の温室効果ガスでないとすると、その方が不気味でね。ただただ地球は温暖化しているという方が怖い。だんだん熱くなる星に暮らしている方が厳しいでしょ。人間が贅沢をして、そのツケが回ってきて、苦しんでいるという“自業自得”と言われる方が、まだ理解しやすいというか、受け入れやすい気がする。

で、地球全体が温かくなっているので、大気の対流が強くなってきたと。だから、今までにない異常気象が起こっていて・・・上で、名古屋は雪が積もらないなんて歴史的な事件が今シーズン起こっているけど、一方、バクダットでは100年以上ぶりの積雪が今年あったという。
地球温暖化の話はずいぶん前から話題になっているから、知っていたわけだけど、実感してきたのは最近だわね。
やっぱり印象に残っているのは台風でしょう。台風は超大型化して、一昨年は大阪、昨年は千葉で大被害を受けた。この調子でいけば、10年もあれば、うちの地域を通る超大型台風が出てくるだろう。というか、一昨年の台風は名古屋の近くも通って、おかげで、うちの2階の雨どいが外れてしまったのよ。修理に10万円もかかった。今度来た時に直撃をくらったら、屋根が飛んで、電柱が倒れて、長い停電も起こるのかしら・・・こりゃ、たまらん。

この暖かい冬はヒートアイランド現象と地球温暖化とが組み合わさってのことだろうね。
冬なのに、最高気温が2桁になっているなんてね、昔に比べたら、全然寒くないわけですよ。ずっと小春日和。
スキー場の人には申し訳ないけど、冬はその方が過ごしやすかったりする。
でも、こうなると、今年の夏が怖ろしい。

人間はさんざん温かくしてきたんだけど、地球を冷やす技術を持っていない。
つまり元に戻せないと。化石燃料の使用を止めて、樹木を植えまくって、ジャングルを作って、数百年、数千年待って・・・と、よっぽどのことをしないと元には戻らない。
よくニュースなんかで、二酸化炭素の排出量を減らす国際会議なんかを伝えるけど、より暖かくなるのをくい止めるのが精一杯で、元の気候に戻せそうなんて意見はほぼ聞けないもんね。たぶん、諦めているんだろうね。

というわけで、人間は後のことも考えず、エネルギーをたっぷり使ってきたことで、地球や地域を温かくしてきたわけだけど・・・少しは反省して、実は後の世代に迷惑をかけているんだなと自覚することが大切なんだなと思うわけですよ。慎みましょうということですよ。
でも、朝はやはり温かい水で顔を洗いたい。
やれることはしれているが、無駄な“熱のポイ捨て”ぐらいは止めてないと、子供たちの未来はもっと熱くなるということですな。

子供たちには、冬というのは、こんなやわのものでないぞと伝えたいが・・・もうその必要もないのだろう。
凍えるような冬らしい冬は、だんだんと来なって、失われていくのだろう。
春夏秋冬ではなく、春夏秋になる。
その理由は “ぼーっと電気やガス、車を使ってきたから” というのが情けない。