もしかして、ゲテモノ好きですか？

Tさんは50代、マッチングアプリで婚活をしている。

バツ１なんですけどね、元の旦那さんは世界を巡る客船の船員だったそうで。何か月も家に帰らない生活が普通の日常だったのですが・・・5年前によその国で浮気されて、離婚したんですって。

２人の子供たちはもう独立している。それで、新しいパートナーを見つけようということで、いろいろな男性とスマホで接触を試みている。

前の旦那に浮気された以上は、前の旦那よりいい男を見つけて、前の旦那より幸せになってやる、と血まなこになっている様相でもありますが・・・前の旦那さんは結構稼いでいたようなんですよね。「家事をしたくない」と言えば、家政婦さんを雇うほど贅沢をさせてもらっていたそうで。まぁ、結構な稼ぎがあったと。ホロスコープを見ても、性格的な面での相性も良かっただけに、なかなかね、前の旦那のラインを越えるいい人が見つからない。

そんな中、何十人とネット上で話して、数十人と会って、最終的に候補２人の男性が出てきたのですよ。

ただね、これがね、なかなか濃い～人たちなんですよ。

１人目の男性をAさんとしましょう。

で、いつものようにホロスコープを眺めてみますと・・・

本人が特定されることを防ぐため、生年月日は記載しません。

【ここでホロスコープ初心者の方のためにアスペクト（角度）のことを簡単に伝えると、星同士の角度が０、60、120度の時は“吉角”と言って、良い働きをする角度。90、180度、つまり直角か、真裏に星が来ると、“凶角”と言って、強く出過ぎて、害になりやすい影響を与えやすい角度。詳しくは私のサイトを見てね。】

金星♀、火星♂、土星♄、天王星♅、冥王星♇と５つの星がTスクエアを形成しています。Tスクエアとは90度凶角と180度凶角が組み合わさった強い凶角であります。もうこの星の数のTスクエアだけでもくせ者、アクの強い人、ガツガツした人、アグレッシブな人、濃い人と分かるのですが・・・

火星♂と冥王星♇の凶角は、力が頂点という意味で、パワフルなことを意味しています。

金星♀と土星♄の凶角は“快楽ざる星”と私は呼んでいますが、好きな事に抑制、ブレーキが効かない。

金星♀と冥王星♇の凶角は、好きな事、趣味などを徹底的にやってしまう。仕事が趣味ですと、相当なハードワーカーになりますけどね。まぁ、ここではすべてのアスペクトの解説は省略させてもらうとして・・・

で、さらに他にもＡさんには強い星並びがあるのですよ。

火星♂、土星♄、天王星♅、冥王星♇の180度凶角ラインと水星☿、海王星♆の180度凶角ラインが60度吉角で交わっています。吉角で交わることを“調和する”と言ったりもしますがね。これは“ミスティック・レグタングル”と呼ばれる珍しい星並び。かなりスケールの大きい、パワフルな人となります。何か１つ目標を持つと、突破力が半端なく強かったりします。

凶角が多いとハングリー精神が強くなってしまうのですが・・・５つの星のTスクエアと６つの星でのミスティック・レグタングルとなると・・・もうこれは火炎放射器の付いたブルドーザーのようなものですね。

で、この人は実際にはどんな人かというと、もともとは自衛隊に居た人で、どんなに頑張っても報酬がほとんど変わらない公務員はつまらないということで、辞めて、運送物流系の会社を起業してしまった人。もともと自衛隊内で補給、運送、保管などの任務を遂行していたので、そのノウハウを活かして、危険物、特殊な物品なども得意としているようでして。その辺りがニッチな需要を取り込んで繁盛しているのだそうですよ。

羽振りも良く、Tさんは、高級なレストランにも連れて行ってもらったり、高価なプレゼントをもらったり・・・まぁ、Aさんは50代後半のバブル世代ですからね。そういうことをするのが当たり前なのかもしれませんが。

しかも、上のTスクエアの解説でありますように、仕事だけでなく、遊び、快楽の方もかなり力を出してしまう人でしょう。

ただね、“アクが強過ぎる”ですよね。たぶん。

凶角が多いと、人とそりが合わない点が増えるのですよね。Aさんもバツ１だそうです。奥さんとは上手くいかなかったようですが・・・まぁ、そういうことがあっても、まったく不思議じゃないですね。

で、次にＴさんとＡさんの相性を診ていくわけです。相性鑑定は２重円、ダブルチャートを作成していきます。

内側は男性のＡさん。外側はＴさんであります。

内側外側、それぞれ10個と10個の星を重ね合わせていくのですから、そりゃ、アスペクトはいっぱいできるわけでありますよ。

で、まぁ、このブログでは一番ポイントとなるものだけにフォーカスしていくわけですが・・・

Ｔさんの金星♀、火星♂、土星♄、天王星♅、冥王星♇のＴスクエアに対し、グランドクロス（十字架）を形成する位置にAさんの水星☿、火星♂があるのですよ。グランドクロスとは、180度凶角が90度で交わるかなり強い凶角のアスペクトです。

金星♀と火星♂のアスペクトをオスとメスのマークなので、私は“エロ星”と呼んでいます。男女の性的な結びつきを強くする・・・まぁ、平たく言えば、恋の炎が着火しやすい相性なのであります。

エロ星に関して、吉角がいいのか、凶角がいいのかという問いもありますが・・・吉角はソフトアスペクト、凶角はハードアスペクトとも言います。まぁ、夜の関係でソフトが好きか、ハードが好きかという感じの違いですかね。

これに冥王星♇が加わると、冥王星♇には“徹底的”という意味があるのですが、恋愛欲求がかなり増大するので、私は“変態エロ星”と呼んでいます。引き付け力がかなり強くなります。

で、変態エロ星のグランドクロスであります。さらに星の数の分に比例して、パワーは強くなるのですが、７つですからね、かなりの変態エロ星グランドクロスであります。

男性Aさんはかなり濃いくせ者で、どちらかというと普通の人は距離を開けたくなる人ですが・・・よりによって、Tさんにとっては、熱烈に恋心にスイッチの入る相手になるわけであります。

なるほど、なるほどということで、言葉を無くしながら、続いてBさんのホロスコープを見てみたわけですよ。

太陽☉、火星♂、土星♄、海王星♆がグランドクロス（十字架）を形成しています。グランドクロスを持っている人はかなり珍しく、レア度も相当高いです。しかも、火星♂、土星♄、海王星♆は凶星です。凶星の凶角というのが、しんどいのですよ。で、これはほぼ凶星で作られたグランドクロスであります。

火星♂と土星♄の凶角は、私は“我慢星”と呼んでいますが、我慢し過ぎる、ストイック、一途になることを意味しています。

土星♄と海王星♆の凶角は、ひねくれ者、素直でない、何を考えているのか分からない、あまのじゃく等を意味しています。

さらにチャートでは色のラインで示していませんが、月☽、水星☿、天王星♅でＴスクエアも形成されています。
これは発想が個性的過ぎて・・・アイデアマンかもしれませんが、周囲に理解されていないかも。もう変人の域ですね。

で、実際には、Bさんはどんな人かというと、もともと実家が開業医で、Bさん自身も医者になろうと医学部を受験し続けて・・・浪人を10年したそうです。その前の高校時代もいろいろあって、ストレートに大学に行こうとせず、一旦社会人になって・・・一念発起し、予備校に通って大学を受験し始めたのが20歳の時なんだそうで。その後30歳までずっと受け続け、さすがに10年経ったら、父親からダメ出しをされたと。諦めて、理系の大学に行き、今は、医療機器のメーカーで研究者、エンジニアとして働いているのだそうです。話によると、その目指した医学部のある大学は名門で、彼はずっとそこに入ることしか考えていなかったそうです。その志望を譲らなかったと。心底、父親の出た大学よりは上の大学に行きたかったそうで。

やはり、星通り、ストイックで、ある意味頑固で、ひねくれものなのかもしれませんね。グランドクロスという強い凶角ですから、やっぱりなかなか濃い人ですよ。

Bさんはずっと独身で、同じく50代。

で、次にＴさんとBさんの相性を診ていきます。相性鑑定は２重円、ダブルチャートを作成していきます。

内側は男性のBさん。外側はＴさんであります。

Aさんの金星♀、火星♂とTさんの金星♀、火星♂の４つの星でグランドトラインを形成しているのですよね。

グランドトラインとは120度吉角が３つ組み合わり、正三角形を形作った強い吉角であります。しかも、金星♀と火星♂の２つずつという珍しいパワフルなエロ星グランドトラインなわけですよ。

（チャート図では分かりにくくてすみません。金星♀と金星♀が重なり、位置的には正三角形なのです。）

なるほど、なるほど、よりによって、また珍妙な相手と、まったりとはまるように熱愛の相性ができているわけですよ。

で、Tさんはどっちを選んで、付き合ったらいいか悩んでいて・・・

“どっちにしたら、いいですかね？”

という質問が私に投げられてきたわけですけどね。

これは、難しい。

まぁ、正直なところを申し上げますと、私なら・・・どちらも無理ですよね。

でも、よく、まぁ、大勢の方とお会いして、こんな２人が候補として絞り込まれましたね。

どちらも秘宝館収蔵レベルの珍獣ですよ。この２人が並ぶなんて、もうミラクルですね。

どちらもめったに見られないレベルの熱くラブラブに恋愛する相性でありますが・・・その個人を単体として見るとね、かなり難しいのですよ。

最後はＴさん自身が決めるしかなくなるわけですがね。

まぁ、好みで決めるのでしょうが・・・

ペットにするなら、ザリガニと ウニのどちらがいいか？というくらいの好みの差ですかね。

まぁ、私には“どちらが良さそうか”すら分からない、感じですね。

そんなことをお話ししたら・・・Ｔさんはさらにマッチングアプリでの出会いを探されるようなことをおっしゃっていましたけどね。

基本、Ｔさんの胸の内には、前の旦那よりは幸せになっていやるわい！　という気概がマグマのように噴き出しているわけでして。

そのせいか、今回はちょっとLOVEを優先して、エネルギッシュに行き過ぎてような感もありますが・・・

次回も、すごいゲテモノが来たら・・・ほぼチェンソーマンの世界観ですねぇ。

でも、愛は自由だからなぁ。

（了）