値上げ問題

私のサイトには、西洋占星術を学びたい人のためにアスペクト、ハウス、サインの解説などを表している。

で、最近は私のサイトで星占いをマスターしたという話を聞くようになったのよね。

あるお客さんは、知り合いから、星占いをマスターするには、つぼぼさんのサイトと数冊の本があれば、学べるよと教えられたと。その知り合いというのは、私は鑑定したことも、私の講座も受けたことがないという。

最初は、まぁ、そんな人もいるかなという程度に聞いていたのだが・・・似たような話が続き、中にはマスターどころか、プロになってしまったという人の話も耳にするようになってね。

へぇ、私のサイトで、そこまでマスターできるんだ、と私本人の方がびっくりするくらいである。

札幌にいる時も、同じようにつぼぼさんのサイトとマツキヨ本で独学で勉強しましたという人がいた。

話は少し逸れるが、マツキヨと略されるのは・・・まぁ、このサイトを読んでいる人の多くは、星占いに関心が高い人が多いようなので、“マツキヨ”と聞けば、ピンとすぐに思い付くのだろうが・・・そう松村潔先生である。

略されても、すぐに名前が想像できる星占い師というのは、他にはなかなかいない。それほどに松村潔先生は、西洋占星術界では、ビックネームということであるが・・・マツキヨと略すのはどうかしらね。

その人によると、その占い仲間では、ネット上でもマツキヨで話しているということで、私の知らない若い人の間では、そんなふうになっている・・・のだろう。この略し方に違和感があるのは、私が歳なのかもしれない。

私のサイトでは、正直、文字で伝えられるものを表現しているという感じかしら。

世の中にはね、文字で伝えようとすると、実際以上にややこしく難しそうに見えるものがあるのよね。口で説明した方が圧倒的に早いというものが。歯がゆいのよ。伝えたくても、伝えれないみたいな。だから、そういうものは、今のところ、講座で伝えているのだけれどね。

例えば、私がYouTubeにアップしているアスペクトの見方のVTRなんて、文章だけで表現しようと思ったら、文面を見ただけで、ぞっとしてしまって、ぐっと引いてしまうような難解なものになるでしょうね。

講座では、サイトだけで理解しようとすると、遠回りになってしまうような知識、技術などを伝えているんだけど。だから、サイトだけの情報では、ホロスコープという円盤を回せるようになるには時間が掛かるわよ。きっと。だから、そういう人には講座に出てもらいたいんだけど、まぁ、いろいろ事情があるから仕方ないわね。

でも、まぁ、私のサイトで独学して、プロでやっている人がいるとなると・・・今回は、ちょっとお金の話もしておこうかな。

私の鑑定料や、講座の受講料は良心的とよく言われる。平たい言葉で言えば、安い

特に東京ではかなりお安い方となる。大阪は占い文化がかなり一般的になっていて、相場が安いからね。私の料金は東京ほどはびっくり価格にはなっていないだろう。

なぜ、私の鑑定料は良心的なのかというと・・・私がただ単に値上げに対して、慎重で臆病だからだ。

それには、私の絵描きだった頃の経験があるのよ。

自分の絵を国内外の展示会なんかの時に売っていたんだけどね。基本、絵描きは、自分の作品の値段を自分で決める。

絵描き仲間の中には、派遣社員で事務をしている人もいて、私の日給は8,000円で、この絵は2週間かかっているので、120,000円で売ります。という人もいたが・・・絵の世界は、その作家がどれだけ時間、労力を費やそうが関係ない。1年かけても、0円の作品になることもあれば、10分で描いても、数千万円になる作品もある。

費やした時間でその時間分をお金でもらおうというのは、完全に雇われ労働者感覚である。自分の時間を切り売りして、お金を稼ぐことに慣れきってしまった人の考えだろう。

じゃ、どうやって自分の作品の価格を決めていくのか。自由に価格を設定することができるのだが・・・悩ましい。

そんな時に、オーストラリアのギャラリーさんに言われたのは

値段を上げるのは簡単だが、下げるのは難しい。

ということだ。

分かりやすく、私が見てきた実際の話をしましょう。

自分の作品の価格を自由に決めることができるので、ある作家が、実力的に1作20万円くらいのいくつかの作品を、つい自惚れて50万円という価格設定をしたことがあった。高い。売れるはずがない・・・と周囲の人は思っていたが・・・運悪く売れてしまった。

絵の世界では、時々あることだが、株かギャンブルで当てた人が、酒に酔った勢いで、つい立ち寄ったギャラリーで、買ってしまうのだ。

これは本当なら“ラッキー”と言いたいところだが、実はそうではない。

同じように並んでいる作品は大きさも似ていて、すべて50万円前後の値が付いていた。

1つでもその価格で売れてしまうと、もう、簡単には下げられないのだ。だって、そうでしょ。もし売れないからと言って、30万円にしたとすると・・・前に50万円で購入した人が、ギャラリーを通った時、どう思うか。普通に損したと思うわな。

購入した人でなくても、普通に数ヶ月、数年間ずっと眺めてきた人はどう思うか。

この作家、価値が落ちているな

と悟られるのだ。

作家の価値は、その作家の実力もあるが、ブランドもある。ブランドというと、仰々しいかもしれないから、知名度とか、人気があると言った方が分かりやすいかもしれない。

人気が落ちていると思われてしまうと、余計に客は気持ちは冷めて、さぁーと引いていってしまう。

人気商売とはそういうものなのだ。

絵は生活必需品ではないから、安く手に入れられるようになって、お客が無条件で喜ぶかというとそうではない。例えば、プラダという高級バックが、世界で一斉に値下げをしたら、どうだろう。それまで、高嶺の花だけど、欲しいわと思っていた人が、果たして皆買うかな。

高嶺の花だから、欲しいというところもあるのだ。

だから安くできないのだ。ブランド、人気が落ちたと思われることだけは、避けなければならない。

もしこの作家が、最初から20万円の設定で売っていたら、毎月コンスタントに1作を売ることができたかもしれない。

しかし、50万円では、年に1、2度しか、売れないのだな。

作家として、食べていくにはどっちがいいかはすぐに計算できることだろう。

そもそも自分の描いた絵が世に広がって、多くの人に見てもらえる方が嬉しいだろう。

でも、一回でも50万円で作品が売れると、“私の作品は50万円で売れているんですよ。”とは言えたりする。でも、実体は虚しく、売れないから焦りもでてきて、心も財布もカツカツになっていたりして・・・そんなふうに消えて行った作家を多く見てきたからね。

上のブランドバックでイメージしてもらえれば、分かりやすいだろうが、徐々にでも値が上がって行く分には良い。

しかし、値が下がっていくことは、かなりの人気を失う可能性がある。一気にお客さんが離れていくこともあるだろう。

私は、占い師の価格設定にも同じことが言えると思うのよね。

ブランドが大事でしょう。

この占い師さん、人気が落ちてる。お客が減っている。と悟られると、さらに輪をかけて、お客さんが減っていく。

占いの世界にも、ビギナーズラックのように、最初の数年間は珍しがられて、お客さんが寄ってくるもということがある。これって、飲食店でも同じだよね。

でも、飲食店と違ってさ、同じ実力のままでも、お客が減っているという印象ははるかにマイナスなのよね。

人気の波につい浮かれて、価格を上げて・・・やがて、お客さんが減って・・・それでも、安売りできず、価格を維持しなければならなくなって、経済的に苦戦している占い師さんも多く見てきたしね。

人気があるフリする背伸びも大変なのよ。

そういう場合、価格設定を変える1つの手としては、占いのスタイルを変えることね。

四柱推命から、タロットカードに変えるとかね。

似たようなことに、“数ヶ月先まで予約でいっぱい”だった占い師が、すぐに予約できるようになるわけにいかないから・・・いろいろ言い訳を考えるわけよ。

絵描きの世界でも、版画とかに画法を変えて値段を下げれば、言い訳ができるものね。上の作家は、そんな風にして画風を変えて行って、価格を下げたけどね。

で、値を上がっていく間はいいのよ。

人気が徐々に高まっているという感じが続いているから。

ここまで言えば、分かるでしょ。

私は、良心的と言われる価格でいるのは、よーく、一時的な人気を除いて、本当はどのくらいの需要があるのかしらと眺めて・・・これは、大丈夫と思ったら、少しずつ、無理せず上げていくと。

わたしゃ、星占い師として、この世の中にいたいからね。

私のサイトからホロスコープを学んで、プロになっている人、プロになろうという人には参考になったかしら。

で、私も来年には、ちょっと値上げしようかなと考えてるのよ。少しだけね。

そう、つぼぼさんは人気が高まっているという右肩上がりのカーブを続けることが大事なのよ。

そのカーブは、緩い方がいい。