周囲からは、なんでそんな男を付き合っているの?と言われるわけですよ。

深夜に一人、部屋で、ビールを飲んで、ぼんやりNetflixのドラマを見ている。
とくに楽しいわけではない。
アラフィフの仕事で疲れた身体は重く、ちょっとした家事をする気にもなれない。
そんなOさんの携帯に、彼からのメッセージの着信がある。
開いてみると、ガールズバーの女の子と楽しそうにツーショットでの写真が付いていた。
浮かれたクソ野郎。
彼の女遊びには、いちいち目くじらを立てることはないが、胸の奥からため息がこみあげてきてしまう。
Oさんは営業職で、未だ独身。
彼はOさんの10歳くらい年上で、50代半ば。彼とはもう7,8年付き合っている。
昔から友人同士の集まりで知っていて、まぁ、知り合いだったということだが・・・その頃から、女癖の悪い噂しか聞かないダメ男だとは知っていたので・・・風俗通いも承知している。
最初、付き合う気は無かった。だが、1年近くアプローチされ・・・残念ながら、根負けして付き合うようになったという次第だ。
彼は外食する時には、一応「何食べたい?」と訊いては来るのだが、いざお店を決める段階になると、Oさんの意見は一切聞き入れてもらえない。身勝手なヤツ。
でも、会計は女には払わせないスタンスの人なので、まぁいいかとやり過ごしている。
付き合って2か月が経ったところで、ある中華のお店に入って、ラーメンを食べながら、ふと、“なんで私と付き合おうとしたの?”と彼に訊いたら、
「セックスが合わなかったら、別れるつもりだった」
と答えた。
Oさんは、こんな奴だから仕方ないか、と諦めている。
Oさんと彼は、隣同士の別々の県に住んでいた。彼は、前から自分の県においでよと言っていた。Oさんは会社に異動願いを出し、彼と一緒に暮らすつもりで、引っ越しを計画していた。
そしたら、彼は
“えっ、ほんとに来るの?”
ときょとんと顔をした。
“きょとんとした顔”というのは、意外な出来事に驚いて、ぼんやりする様子のことだが、そんな彼を見て、唖然としたのは、Oさんの方だ。
彼が言うには、Oさんには別の男性と結婚をして、自分とは愛人関係を続けて欲しいというのだ。
殺意を通り越し、あきれて、苦笑いした生き仏となった。
夫婦としての責任は取りたくないけど、これまで通り恋人として大事にされたいし体の関係は持ちたい。ということなのだ。
彼はOさんと暮らすという考えはなく、前から言っていた“自分の県においでよ”というのは、それぞれ別に家に暮らしても、近くになる分、遊びやすくなるという意味だった。
Oさんはもう営業所の異動も決まっていたので、引っ越しを中止するわけにもいかず、急いで物件を探した。
まぁ、そんな奇想天外な男性なのだが、Oさんもよくここまで我慢できるものだと感心してしまう。
でも、彼がOさんに家にやってきて、2人でいると、やさしい気持ちになるそうだ。
それが一緒にいる理由なのだそうですが・・・まぁ、ダメんずさんがよく言う言葉ですわな。
周囲の人たちは、“なんでそんな男と付き合っているの?”とよく言われる。
まぁ、そりゃ、そうだろう。
では、彼はどんな人間なのか、まずは彼の性質を診るためにネイタルチャートを見てみましょう。個人が特定されることを避けるために、生年月日は隠してあります。
【ここでホロスコープ初心者の方のためにアスペクト(角度)のことを簡単に伝えると、星同士の角度が0、60、120度の時は“吉角、ソフトアスペクト”と言って、良い働きをする角度。90、180度、つまり直角か、真裏に星が来ると、“凶角、ハードアスペクト”と言って、強く出過ぎて、害になりやすい影響を与える角度。詳しくは私のサイトを見てね。】
※つぼぼチャートの作成したチャートに近い形でお伝えします。

「複合アスペクト」を表示しますと、上のように、
金星♀×木星♃×冥王星♇と、
火星♂×木星♃×天王星♅ の2つのTスクエアが出てきます。
Tスクエアとは180度凶角と90度凶角が組み合わさった強い凶角です。
金星♀×木星♃×冥王星♇のTスクエアは遊びには多大なエネルギーとお金を注ぐことを表し、
火星♂×木星♃×天王星♅のTスクエアは勢いがあって、大きな勝負をしやすいことを表しています。そして期待外れになりやすいことも意味しています。
Tスクエアが2つあるだけでも、なかなかのクセ者ですが、さらに凶星による凶角があります。

ここでは、注目してもらいたいアスペクトだけを表示しています。
太陽☉、土星♄、海王星♆が180度凶角に並んでいます。
土星♄×海王星♆の180度凶角は、あまのじゃく、素直でない、ひねくれ者、アンダーグランド好き、メジャーなものに対してアンチな人間となります。それを太陽が増幅させています。
10代、20代はいわゆる、手の付けられないやんちゃな人だったそうで。
Tスクエアと、凶星の180度凶角がある人ですからね。
相当に“ヤバい”奴となるわけですよ。
これほどのクセ者となると、まぁ、何と言いますか、“友人や家族には紹介しづらい人”だったりするわけですよね。
目安としては、Tスクエアと180度凶角が1つあれば、まぁ、そこそこのクセ者ですよ。
でも、彼はそれをはるかに上回っています。
で、上の金星♀、木星♃、冥王星♇のTスクエアの一部なのですが・・・金星♀と木星♃は吉角では、“家族星”と私は呼んでいて、家族っぽい人だったりします。ですが、凶角の場合は、その逆で、“家族っぽくない”人だったりします。“家族いっしょ”という感覚があまりないのです。一人好きだったり、一人の時間の方を優先するような人だったりします。
まぁ、この彼も家族っぽくない人で、群れるのが嫌いで、一人が好きで、そんなんだから、これまで結婚をしたことがない。
一方、Oさんの星並びを診ますと、

彼とは逆に、金星♀と木星♃の120度の吉角、“家族星”を持っている。
家族で食事をしたり、家族で一緒にお出かけすることが当然だと思えるタイプ。でも、この星を持っていると、家族がいないと淋しさを強く感じる。だから誰かと一緒に居たがる面もある。
つまり、彼は独りで居たがる一方、Oさんは家族として一緒に居たがるというまったく逆の性質を持っている。
また、Oさんの持つ金星♀と木星♃の吉角は、“人気、愛情星”でもあり、人気が出やすい。
そんな彼女だから、他にも男を選べそうなものなのだから・・・周囲から見れば、“なんで、そんな男と付き合っているのか” 不思議でしゃーない。
2人のホロスコ―プを重ねて、ダブルチャートを作り、シナストリーという相性鑑定を行う。
シナストリーというのは、奇妙なもので、思いもよらない化学反応のような現象が起こってしまうのだ。
ということで、内側を彼、外側をOさんにしたシナストリーチャートを見てみましょう。

このチャートの「複合アスペクト」のボタンをチェックして、表示しますと

なるほど、金星絡みのTスクエアが3つもありますね。
このチャートのラインでは、2つに見えるかもしれませんが、実は重なっていて、3つあります。下の複合アスペクトのリストでは、3つ出ています。
金星♀×海王星♆×冥王星♇ ←この金星は彼の
木星♃×金星♀×冥王星♇
金星♀×海王星♆×冥王星♇ ←この金星はOさんの
金星♀絡みの凶角っていうのは、手ごわいのですよ。
凶角というのは、もともと出過ぎて、害になりやすいという意味なのですが・・・
金星♀の場合、遊び過ぎるとか、恋をし過ぎるとか、怠け過ぎるという意味があります。
金星♀×冥王星♇の凶角は、好きな事を徹底的にし過ぎる、贅沢してしまうという意味があります。
金星♀×海王星♆の凶角は、色気が出て、ラブスキャンダルを起こしやすくなる。そのほか、好きな事をし過ぎる星並びも加わって、Tスクエアが3つもできていると。
まぁ、沼ですわな。
でも、金星♀絡みでも、金星♀×木星♃の凶角は、彼の性質のところでも解説しましたが、“家族っぽくない”“一人好き”という意味。シナストリーの場合、遠距離になったり、忙しくてすれ違いの生活になったり、シェアハウスっぽくなったり、子供が生まれにくくなかったりします。
彼は50代半ばで、Oさんも40代半ばなので、もうお子さんの方は考えていないようですが・・・一緒に暮らすという感じが生まれにくいのかもしれません。普通の家族っぽさはないと。
ちなみに、金星と木星の凶角は“嫌いになる”という訳ではありません。
一方で、こんな星並び、アスペクトもあります。

彼の月☽、金星♀、火星♂と、Oさんの金星♀、木星♃が120度吉角位置に並んでいます。
5つの星のアスペクトだから強めですよ。
金星♀と火星♂は見ての通り、オスとメスのマークなので、私はこの星並びを“エロ星”と呼んでいます。まぁ、平たく言えば、ときめいたり、むらむらしたりする相性なのですよ。
また上に金星♀と木星♃の家族星も含まれています。一緒に居ると、お兄さんみたいとか、家族のような親しみ、温かみを感じる相手となるのです。
彼とOさんのシナストリーチャートによってできる家族星なので、実は、彼はOさんに対しては、家族っぽくなれるということも意味しています。家族スイッチが入るのです。化学反応のようなものです。
ただここで、“おや?”
となりますね。
一方では、金星♀と木星♃の凶角があって、“家族っぽくない”
もう一方では、金星♀と木星♃の吉角があって、“家族星”
ホロスコープで鑑定していると、このような矛盾するような星並びが同時に出てくることがあります。
この場合は、相殺するのではなく、両方出ると思ってください。
人間も、人間関係と言うものも多面的なのですよ。いろんな面があるのですよね。
ですから、この2人の場合、ある時は家族っぽく、親しく、温かく。
でも、一方である時は、家族っぽくなかったり、すれ違いの生活だったりします。
彼とOさんの場合は、この金星♀と木星♃の吉角、凶角とも、強めにありますからね。
それぞれの効力が強めに出てしまいます。
もう一つ注目したいアスペクトがあります。

太陽☉、土星♄、天王星♅、海王星♆が180度凶角上に並んでいます。
土星♄と天王星♅は個性が出ることを意味しており、凶角の場合、個性が出過ぎていて、かなり変わっているということです。
そのアスペクトを太陽☉が増強しています。
土星♄と天王星♅の凶角は、社会的なプレッシャーを受けることもあります。これは相性鑑定のシナストリーだけでなく、未来予測のトランジットでも同じことが言えます。
それはどういうことかと言いますと・・・
例えば、全身にLEDランプを付けて点灯させている自転車おじさんが、街を駆け抜けるとします。
本人は、“これは俺の個性だぁ~” と主張するかもしれませんが、この自転車おじさんを見た人たちは、気持ち悪がり、後ろ指をさします。撮影してSNSにアップされるかもしれません。
そんな風に、土星♄×天王星♅の凶角は、個性が出過ぎることで、社会的なプレッシャーを受けることを意味しています。
個性と言っても、周囲には理解されていません。または周囲から理解されないような変な形、スタイルになっているということであります。
つまり、そんな風にOさんと彼は、周囲から奇異な目見られる変なカップルということなのです。
さすがに後ろ指をさされていることは無いでしょうけど。
そういった星並びからも、Oさんは彼を家族や友人には紹介しづらいのだろうなぁと推測されるわけです。
で、この太陽☉、土星♄、天王星♅、海王星♆が180度凶角は、
彼の土星♄×海王星♆の180度凶角上にあります。
つまり、彼の“ひねくれ者”“あまのじゃく”といった性質の延長線上にあるということです。
もう一度、チャートをご覧頂きしょう。

まとめますと、
・彼そのものがそもそもかなりのクセ者。
・2人の相性は、実はラブラブで家族的な面と、家族っぽくない面の両方が強く出てしまう。
・でもって、周囲からは奇異な目で見られて、理解されない。
となるわけですね。
ですからね、我々には分からないのですよ。
この2人の男と女の関係性というやつが・・・。
と、ここまで、このブログを書いて・・・でも、やっぱりOさんがなぜ、彼といっしょにいるのか、どうしても納得がいかないので、ブログをアップする前に、もう一度だけ、理由を聞いてみた。彼のいいところ?
だって、やっぱり、不思議じゃないですか。
そしたら、Oさんから返事が来た。
丁寧に話してくれました。
それが以下のようなメールでした。
(メールの冒頭省略)
彼の良さ・・・私を真の意味で女性として扱ってくれ、甘えさせてくれる。私に弱い部分があってもそれを認めて、必ず助けてくれる所です。
一見当たり前のように思えるですが、
私、男性(恋人や友人)と一緒にいると、変に頼られてしまったりするのです。
私が男性を守ったり、ヒモのように養ってあげたりした時期もありました。
甘えられることはあっても甘えることができない。
それは、とにかく私自身が強くあり続けなければならない状況で長らく生きてきたからです。
小学生の頃は男の子と取っ組み合いの喧嘩をするような子供でした。
中高生以降は「頼れる人」「しっかりしている人」「強い人」と呼ばれ、最終的に30代の時点で女では無いとまで言われてしまう始末。
父親には「お前は男として生まれて来ればよかったのに…」とまで言われました。
そんな私を女性として扱い、弱さをフォローしてくれたのが今の彼です。
彼が誰よりも女性としての私に愛情を注いでくれた人だと思います(笑)
それまでの男性は、私を母親や姉と思っていたようなところがありました。
つぼぼ先生は、私に「寂しがり屋ですね」と仰いました。
ですが、ホロスコープではそう読めても、残念ながら私は「この人は寂しがり屋だ!」と思えるような見た目は全くしておりません。
私が恋人に会えず寂しがる女性だとは、これまでの男性は考えていなかったと思います。
“自分ばかりが寂しがっている!”と元彼から怒られたことが何度もありました。
そんな中、彼だけはこれまでの多くの女性遍歴のおかげか、野生の勘なのかは分かりませんが、私の寂しがり屋な性格を見透かして、強がることをやめさせてくれました。
彼と出会った頃、彼を含めた数人での食事会の際に「女を捨てないと営業の数字は取れない。だって自分には女を使って仕事が取れるような美しさも可愛さもないんだから!」
と私が笑いながら冗談混じりに言ったところ、
「君は女性だよ」
「女性が女性らしさを捨てて生きる必要はないよ」
と口説き文句とはいえ、ハッキリと面と向かって言ってくれたのは残念ながら後にも先にも彼だけでした。
付き合い始めた頃も
「寂しい時は強がらずに連絡してきなさい」と何度も言われました。
あまりに私が弱っている時は第六感でもあるのでは?と思うタイミングで電話が来ます。
本当に多忙な時期でもスケジュールを空けて会う時間を作ってくれます。
彼の前では何かしら気張る必要がなく、その安堵感が有難くて、結婚できなくても満足してしまう部分があるんですよね。
これが腐れ縁の星の証拠なんでしょうね。
書いていて笑ってしまいます。
なぜ私がそんな程度の愛情で納得できるのか?
と、まだまだ不思議がられるとは思うのですが、最大の理由は私が彼の生い立ちを知ってしまったからかもしれません。
彼は大阪で生まれました。彼が小学生の頃に、父親のDVに耐えかねたお母様が彼と弟を家に残して出て行ってしまい、そのまま離婚。
父親は自営業をしていたようですが商売は上手くいかず、幼い息子二人を連れて実家のある故郷に夜逃げをしたのです。
大阪から夜逃げするまでの間、彼は母親のいなくなった家で、小学1年生の弟のために夕ご飯を作ったり、一緒にお風呂に入ったりして面倒を見ていたそうです。
毎晩遅くまで、父親は事業の金策の為に帰って来ず、いつも“このまま父ちゃんまでいなくなったら、どうしよう”という不安を抱えたまま、待っていたのです。
夜逃げした後は、生まれ育った大阪の街とは全く違う、山と海しかない土地で祖父母の家で育てられました。
今でも潮風の匂いを嗅ぐと、あの頃のやり場のない淋しさを思い出すのだと。
そんな話を聞いた時、彼の人を寄せ付けない雰囲気や女性に対する態度、天邪鬼な性格・・・に何となく合点がいき、彼に、一般的な男性の姿を敢えて求める必要はないと思うようになりました。
付き合って日の浅い頃には、突然、ドライブに行こうと誘われたことがありました。
詳しい内容を告げられず、車は山をどんどん登っていきました。着いた先はお祖母様のお墓でした。そのまま一緒にお墓参りをしました。
そのお墓は彼がお祖母様のために建てたものでした。
星が大好きだったお祖母様のために、星がいちばん綺麗に見える場所にお墓を建てた と言っていました。
五年ほど前には、蒸発した彼のお母様の現在の住まいを探すために、彼の戸籍を辿って大阪の街を二人で歩いた事もありました。
彼が幼いころ夜逃げする直前まで住んでいた、古い市営住宅周辺も二人で散策し、その頃の思い出話を彼から沢山聞きました。
普段、あまり多くを語らない彼が、私にだけ話してくれたこと。
私と行動を共にしてくれたこと。
それが何よりの私に対する信頼の証だと思っています。
だからこそ、大概のクズエピソードは小さな子供が「お母さん!カブトムシつかまえたよ!」と言っている些細なレベルに見えてしまい、笑って済んでいるんだと思います。
(メール 終わり)
なぜ、Oさんと彼の付き合いが続いているのか、を明かしてもらいました。
なるほど、家族っぽく、家族っぽくなく・・・。
家族というものに触れたくない彼。でも、不器用な彼なりに、精一杯、Oさんを家族として受け止めようとしているし、Oさんもまたそれを感じ取っている。
2年くらい前から、「俺にはお前が必要だ」「一生そばに居てくれ」と唐突に言ってくることが増えたのだそうだ。でも、いざとなると、彼はおじけづいて、一緒に暮らそうとはしない・・・。
そのOさんと彼の、男と女の関係が周囲からは、奇妙奇天烈なカップルに見られているけれど、
それは、私たちには 2人だけの世界 が見えていないだけのこと。
2人は、家族っぽくなく・・・家族っぽく。
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イラストは生成AIに描いてもらいました。

