高校生の娘の密かな恋愛に困っている話

17歳。高校2年生の娘さんを持つ母親Aさんからの鑑定依頼を受けた。
娘の恋愛に関して悩んでいるという。
鑑定の前に生年月日などの情報を頂いて、相手の年齢を見ると・・・29歳。
娘さんより12歳も上なわけですよ。
そりゃ、悩みますわね。
まぁ、なんとなくイメージされるのは、カフェなんかの飲食店でバイトをしていて、つい店長と仲良くなってしまった恋愛ということかなぁ、とか。もしくはマッチングアプリやゲームなんかで得体の知れない男と出会ってしまったのかなぁ、なんて勝手に想像したんですけどね。
娘さんは、星を見るとね、MCに太陽☉を持っていて、代表、リーダーになりやすく、ICに冥王星♇を持っていて、なかなか頑固者で向上心が高い。他の星を見ても、いわゆるしっかりした子のようなので、軽くノリで安易な恋愛はしないんじゃないかな。
一方、男性の方はというと・・・そんなにちゃらちゃらした遊び人のような星はなく、理想が高くて、地に足が付いていないところはあるけれど、基本的には穏やかな人。社会的には真面目な部類に入る人ではないかなと読めたわけですよ。

で、ここで2人の相性を診るため、2人のホロスコープを重ねてみたわけですが、簡単に解説しましょう。
内側が娘さん、外側が男性であります。個人が特定されないように生年月日は記しておりません。

【ここでホロスコープ初心者の方のためにアスペクト(角度)のことを簡単に伝えると、星同士の角度が0、60、120度の時は“吉角”と言って、良い働きをする角度。90、180度、つまり直角か、真裏に星が来ると、“凶角”と言って、強く出過ぎて、害になりやすい影響を与えやすい角度。詳しくは私のサイトを見てね。】

娘さんと元先生ここで注目したいのは、2つのアスペクトです。
まず1つ、娘さんの太陽☉、水星☿、金星♀、海王星♆が、男性の火星♂、土星♄という6つの星が120度吉角上に並んでいます。
金星♀と火星♂は、見れば分かりますけど、記号がオスとメスなんですよね。オスとメスの関係。で、このアスペクトを私は“エロ星”と呼んでいます。恋愛をしやすいアスペクトです。まぁ、2人はすでに恋愛しているわけですがね。
ただね、このエロ星に土星♄と海王星♆が乗っている。
海王星♆は感情を意味し、土星♄は“抑える”とか、ブレーキを意味します。つまり“感情を抑える”。周囲から見たら、“何を考えているのか分からない”ということになります。
強さは星の数に比例するので、6個の120度吉角はなかなか強く、恋愛の度合いも高いけれども、“周囲からは理解されない恋愛”になっていることでしょう。
で、もう一つは、娘さんの月☽、火星♂、土星♄と、男性の天王星♅、海王星♆がTスクエアという強い凶角を形成している。Tスクエアというのは、180度凶角と90度凶角が組み合わさった強い凶角です。
土星♄と海王星♆は、吉角では“感情を抑える”ですが、凶角ではそれが強く出過ぎた形ですので、“何を考えているか分からない”を越えて、“ひねくれている”というような表現になります。
それに個性を表す天王星♅や、火星♂まで加わっているので、攻撃的で、突飛、エキセントリックになっていることでしょう。
それにしても、土星♄と海王星♆のアスペクトが2組もある。それに星の数が多い。これは“ひねくれて、周囲から理解されない”ような2人の恋愛なのでしょう。

まぁ、上のようなことは、大まかながらホロスコープから分かることで・・・
で、現実はどんなんかしらん? と思えたわけですが。

実際に依頼者である母親のAさんに話を聞くと、
相手は、娘さんが通っていた中学校の元先生だという。
中学生の時から、付き合ったようで・・・そのきっかけは元先生の誕生日にLINEで「Happy Birthday!」と送ったことなのだそうです。その後、SNSで2人はやりとりし、親密になっていったという。
娘さんが元先生と交際していることを知ったAさんは激怒し、市の教育委員会に告発。
周囲の人たちには知られることなく、元先生は辞職し、学校を去ることになった。その時、娘さんは中学3年生だったそうです。
それでも密かに交際が続いたので、弁護士を交えて、元先生の男性に接触連絡禁止(半永久)の誓約書を交わしたのですが、そんなものは軽く踏み倒されて、今もこそこそと会っているという。母親のAさんとしては、その誠意の無い態度がまた許せない。2人は“ロミオとジュリエット”の気分なのでしょうけど。

男性は、教職を止めた後、自動車の販売店で営業の仕事をしている。ただそのお店が、Aさんの家から遠くはなく、数キロのところにあるという。だから、行動範囲としては、娘さんを会うのは難しくはない。Aさんは気に障る。“なんでもっと遠くに行かないのよ”という具合にね。八つ裂きにしてやりたいくらい。

娘さんはどんな子かというと、なんでもコツコツ努力型の真面目な子で、小学校の頃から学級委員を何度もして、中学時代はバレー部のキャプテンをしていたという。そのバレー部は県大会の上位まで行くような強豪の学校なのだそうだ。高校受験も上手くいき、第1志望校の進学校に進学できたという。
高校では文化祭の実行委員長として、はつらつとして大いに活躍をしている。成績も上位のままだ。
おしゃべりで、今風に言えば “陽キャラ” の生徒なのだ。
そんな模範的な“よくできた”タイプの子だから、親としては、なぜ今の恋愛に陥っているのか不思議で仕方ない。

男性は中学校では、娘さんにとって担任の先生でもなく、部活の指導の先生でもなく、ただ英語の先生で・・・2人にどんな接点があったのか分からない。男性は、中学校でも人気のある先生だったわけではなく・・・むしろ、校長や教頭といった上の者にはへつらい、生徒や後輩の教師など下の者には威圧のある態度で接していたことは、保護者の間にもよく知られていたという。

今、娘さんは、家ではまったく口をきいてくれない。
そりゃ、そうでしょうね。元先生を辞職にまで追い込んだのですから。
口をきいてくれないどころか、ドアを蹴ったり、本を投げたり、モップで叩いてきたりして、家では暴れている。手に負えなくなっているのだそうだ。

で、今の娘さんの星並びを見てみると・・・
内側が娘さんで、外側が現在(2022年11月14日)のホロスコープであります。
娘さん20221114いろいろアスペクトはありますが、注目すべきものの1つは娘さんの火星♂と現在の冥王星♇の180度凶角であります。これは悪い意味で“力が徹底的”ということを示し、“キレやすくなる”か、“消耗感が激しくなる”ようになります。
もう2つ注目したいのは、同じく娘さんの火星♂と現行の海王星♆が120度吉角を形成していることです。これは“前向きになる”“テンションが高くなる”“ポジティブ思考になる”ことを意味しています。
怖いもの知らずに、前向きになっているのでしょうね。あまり反省感がないかも。
冥王星♇も海王星♆もゆっくり動く星なので、あと2年くらいは続きますね。

娘さんは来年、受験生であります。
成績も良い方なので、いわゆる有名な大学へ進学してもらいたいのですが・・・娘さんは美容とかカフェとかの専門学校への進学を希望しているそうで。将来はお店を経営したいのだそうです。
こんなことを言いだすのも元先生の男性と付き合っているせいかもしれない。
母親のAさんは頭が痛い。溜息が止まらない。

Aさんは、私の星占いで“別れさせる方法を教えて欲しい”と言われましたが・・・占い師によっては、どこどこの縁切り神社にお願いするといいとか、○○の方角のお寺にお参りするといいとか、ご祈祷してあげるとか、○○万円の石を玄関に置きなさいとか、お答えになる人もいるでしょうが・・・ちょっと私の星占いでは、縁切りはできないのですよね。

ただね、この2人の相性は、恋愛にはなったけど、そんなに幸せなものではないですよ。
だから、いつかは自然消滅するのではないですかね。
上の書いた2人の相性にあるTスクエアで、娘さんの火星♂と土星♄が、元先生の海王星♆と180度凶角を形成しています。火星♂、土星♄、海王星♆は3つとも凶星で、凶星が凶角を作ると、しんどいですね。
で、火星♂と土星♄は攻撃する方で、海王星♆は受ける方です。年を経れば、娘さんもだんだんと大人になっていき、社会が見えてくると、元先生にきついことを言うようになるのかも。
上のホロスコープチャートの解説では示さなかったですが、2人の相性のホロスコープには、太陽☉、太陽☉、冥王星♇のTスクエアもありますしね。大いに力を奮って、振り回し合うのはいいですが・・・不可抗力の力を受けて、挫折感を味わうかもしないですね。
これらの凶角をカバーするほどの良いアスペクトはありませんし・・・。

ホロスコープを見ているとね、来年の春には娘さん、元先生、Aさんに何らかの動きがあるかもしれない。そこにわずかな期待を寄せつつ・・・そうでないとそのまま2年くらい続いてしまいそう。そうなると、来年の受験に間に合わなくなるし・・・なんとも悩ましい。

話は戻るけど、なぜ、娘さんと元先生の男性が恋愛になったのか。

私は、最初に娘さんのホロスコープを見た時から、気になっていた星並びがあるのですよ。
娘さんの中学2年生前後の頃の星並びですよ。
下のホロスコープでは、内側が娘さんで、外側が2017年11月14日です。
娘さん20171114注目したいアスペクトは2つあってですね。1つは、娘さんの土星♄と現行の冥王星♇が180度凶角。これを私は“ヘロヘロ星”と呼んでいて、かなりのハードワークの状態であります。
もう一つは、娘さんの木星♃と現行の海王星♆が180度凶角と形成しています。これを“疎遠星”と呼んでいて、“独りぼっち感”が出てくる星並びであります。
海王星♆、冥王星♇はどちらもゆっくり動く星ですから、小学校の終わり頃から中学卒業まではずっと続いていました。
娘さんは、中学時代、なんらかのハードワークで、独りぼっち感を持っていたことでしょう。
180度凶角の“ヘロヘロ星”、180度凶角の“疎遠星”、実は、このどちらか1つがあってもかなりしんどい。そもそもどちらも一生に一度しかできないくらいのものですから・・・この2つがそろって形成されていたということは、相当メンタルが激しくやられていたことでしょうね。

ここでは示しませんが、Aさんと娘さんの相性で、Aさんの冥王星♇が娘さんのASCに乗っています。これは、娘さんが母親のAさんを良くも悪くも“偉そう”に圧を感じるという意味です。Aさんの夫も、Aさんと歳が近いために冥王星♇の位置が近く、やはり娘さんのASC上に冥王星♇が乗っています。
娘さんにとっては、両親ともに“偉そう”に圧をに感じる存在なのでしょう。
そのことをAさんに話すと、心当たりがあるそうで。

ただ、Aさんは、小学校の終わり頃から、どんな“独りぼっち感”があったのかが思い当たらないという。
ハードワークなのは、部活と勉強なのでしょうけど。

一番最初のホロスコープをよく見ると、元先生の男性は娘さんと木星♃位置がほぼ同じです。
ということは、娘さんが“独りぼっち感”を強く持っていた頃、元先生も同様に“独りぼっち感”に沈んでいたことでしょう。
2人の持つ孤独感は、母親のAさんを含め、周囲の人にとっては死角だったのかもしれない。
そうして、独りぼっち感を持った者同士が、周囲に理解されないひねくれた恋愛にスイッチを入れてしまった、ということではないでしょうかね。

この恋愛を阻止するのに、Aさんに悔やまれるのは・・・
中学時代の娘さんが抱えていた “独りぼっち感”に寄り添えなかった ということですかね。
あくまで、私のホロスコープの読みによると、ですが。