ユ・ビョンオン
最近、私はプロ志向者向けにホロスコープ講座を行っている。
正確には、私が開催しているのではなく、ある占いグループが開催しているのに私が講師として呼ばれているという具合だ。
プロ志向者向けと言っても、決してハイレベルにしているわけではない。プロ志望者というのは・・・単純に、ホロスコープ講座に時間とお金を費やせるのは、後で、星占いで回収しようという人だからである。もともと他の占いをやっている方々で、幅を広げたいということらしいのだ。
1つの自己投資ですな。
以前も対面の形ではあるけれど、いくらかの人が教えて欲しいとやってきた。私のアスペクト式は分かりやすいのだという。そう、多くの西洋占星術の本は、ハウス式から入るから、まず生まれた時間が分かっていないとできない。それに何より複雑だ。目の前に解消させたい悩みがあるのに、・・・マスターする前に多くのわけの分からない言葉の羅列にへきれきして挫折してしまうというのがお決まりのパターンだ。
つまり実用的ではないのだ。
私がアスペクト式からまず入るのは、その実用性を重視しているから。
そもそも、自分はともかく、相手の性格・相性などを知りたい時に、“生まれた時間”の情報など入手できるはずがない。それに、何より知りたいのは、この先の状態である。できれば月日単位で知りたい。でも、ハウス式から入ると、・・・かなりきついね。
というか、私はほとんどコンパクトにアスペクト式しか教えない。それで、ホロスコープ式占星術の的中率の凄さが実感できれば、あとは放っておいても、本でより知識と技術を学ぼうとする意欲が湧いてくる。しかも、アスペクト式でほとんど占いをすでに的中させることができているから、悩みの解消にもつながっている・・・というわけ。
話は少々逸れたが~。
先々月、そんなホロスコープ講座で、こんな命題を出した。
“あるお客さんがやってきて、「この人から仕事を持ちかけられたのだが、組んでも問題ないでしょうか?」という相談”
その問題の人の生年月日は、1941年2月11日。韓国人。
もちろん、生まれた時間は分からないので、適当に10:00としておく。
さっそく、興味がある人は、以下のサイトなどでホロスコープを作成してみてください。
http://www.m-ac.com/index_j.html
それで私の作った以下のアスペクト表で、まずこの人の性格を割り出してみてください。
http://homepage3.nifty.com/tsubobo/Horoscope.html
ホロスコープ上、この人物で一番目立つのは、①木星(財運)と土星(堅実、大器晩成)が重なっていること。つまり0度の吉角(ソフト)アスペクト。しかも、ほとんど誤差がない。ぴったり重なっている。かなり強いと思われる。
もう一つ注目すべき点は、②金星(美・快楽)と冥王星(頂点、破壊と再生)が真裏。つまり180度の凶角(ハード)アスペクト。
生まれた時間が適当なので、月の位置は当てにならない。
この人の年齢は、すでに70歳以上。①の星並びは財運の大器晩成であるので、今、かなりのお金を貯め込んでいる可能性がある。
②の星並びからして、人を惹きつける力が相当に強い。でも、一方、怪しい。平気で嘘を付ける人間でもある。子煩悩。
その他にも、
③太陽と火星が吉角60度:積極的、健康的、パワフル。
④太陽と天王星が凶角90度:エキセントリック。世の体制の反発する側のリーダーとして立って存在感を出すが、世の中を覆したいという気持ちがある。突然の運気の悪化に注意。
⑤、①木星、土星に対して水星(知性)が吉角60度。頭や情報、話術、文章を使って、富を蓄えることでしょう。
⑥海王星と天王星が吉角120度:侮れない天才的な何かを持っている可能性がある。優れたアイデアとセンスは他の追随を許さない。
主なものを見ただけでもざっとこの人の性格が出てくるわけです。
で、この人をビジネスパートナーにするか?
まぁ、この時の講座の参加者は予想通り悩んだわけですね。
ですが、お客さんからこういった相談が実際にあるわけで、きちんとアドバイスをしなければならない。
この人は確かに結構な財産を持っている。子供の頃は、財に縁がなかった可能性はありますが、おそらく、メディア、話術、文章能力を活かして、財を成したのでしょう。
かなり派手に贅沢をしていることでしょうね。
ただし、この人は、センス・アイデアは良いが、反体制的な面でのリーダーで可能性があるので注意。そして、何より虚構が多いのだ。本人にどれほどの自覚があるかは分からないが・・・。
この人と仕事を組むかどうか悩んでいる人には、以下のようなアドバイス。
この人と付き合うなら、ある程度の距離感が必要でしょう。
財運と現実の財は持っている。だから、ビジネスの相手としては良好だし、大きな仕事も頂けるかもしれない。ただし、反体制的で嘘を付くところがあるから巻き込まれると大変。
だから、あまり近づき過ぎない方が良い。
では、この人は誰か。
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4月に韓国で沈没したセウォル号の実質的オーナーだったユ・ビョンオン氏である。
セウォル号の沈没とは、死者が300人近く出た、韓国国民だけでなく、韓国政府をも揺るがした大事故である。
講座の参加者は合点がいったような顔をしていたが・・・もし、本当にビジネスパートナーにするかという問いが来たらと考えると・・・という考え込んだ表情もあった。
新興宗教の教祖であり、30年前には集団自殺事件も起こしている。でも、個人資産は400億円以上持っていて、フランスの村をまるごと買ったという話もある。写真家という顔も持っていて、世界の有名美術館で展示をしている。そのために巨額の寄付をしていたのであるがね。
あのセウォル号が沈没する以前なら、近づき過ぎなければ、良いビジネスができたかもしれないね・・・。
そして、ダブルチャートで現在の星並びホロスコープで、近々の状況を診る。
http://www.m-ac.com/pages/doubleset_j.php
この人の運気が落ち込む時は、上の①の木星・土星の180度に大きな星が来た時、そして②金星、冥王星の180度ライン上、もしくは魔のTの字(Tスクエア)に大きな星が来た時。
近々に起こりうるのは②の方で、2014年7月下旬には、生まれた時の金星、冥王星の凶角ライン上に、木星と太陽が重なってくる。悲しい出来事が起き、地位を失う、と出ている。
ユ・ビョンオンには、韓国史上最大の5,000万円の懸賞金が掛けられていた。そして万単位でいる信者たちは、ユ・ビョンオンをかくまい続けるなどと公言していたが・・・、この辺りで、ユ・ビョンオンは捕まるのではないか。
そんな鑑定事例と予測を上げて、ホロスコープ講座は終えたのだったが・・・。
このホロスコープ講座を行ったのは、6月22日だった。
私は7月下旬に逮捕されるかもと星を読んだが・・・、しかし、このユ・ビョンオンのホロスコープに関しては、興味深いことが起こっているので、このブログに書こうと思ったわけであります。
実は6月12日段階で、韓国南西部の梅畑の中である変死体が発見されていた。その変死体が、ユ・ビョンオンと発表されたのが、7月22日だった。
DNAがユ・ビョンオンの兄のものと一致したのだ。
7月25日には死因は不明と発表された。
捕まるどころか、すでに死んでいた。
それにしても、なぜ、彼の死の発表が7月下旬になったのだろう。そういう死に方をしたということもあろうけれども。
星が合わせた?
7月下旬、彼の死が発表され、信者たちもさすがに崇拝することを止めたことだろう。
社会的地位は確かに落ちた。
ホロスコープに出ていたことはある意味、当たってはいるのだろうが・・・
星占いというのは、死んだ後のことまで告げてしまうのか?
遺体近くで焼酎やマッコリなどの空き瓶が3本見つかった。当初は服毒自殺という見解もあったが、・・・結局、死因は“不明”とされた。
彼は酒が飲めなかったという説もある。酒の飲めない男が酒を飲むというのは、一種の自殺とも言えるかな。
ユ・ビョンオン。
確かに死が発表される7月22日まで、その“存在”、“存在感”はあったことだろう。
彼の“社会的な死”は確かに7月下旬であった。
生まれた時の金星と冥王星の凶角180度ライン上に、木星と太陽が重なり、大きなものを失う星並びで、とっくに死んでいるのに、この世に残していたものがさらに抹消された。
セウォル号の沈没事故で亡くなったおよそ300人の人に対し、ユ・ビョンオンに殺意があったかというと、そうではないだろう。
それまでも過積載ではあっても、フェリーは無事に運行できていた。
うまく行けば、一生、沈没事故は起こらなかったかもしれない。
ただあのドル箱航路を独占していたことや、過積載を見逃させるために賄賂を贈っていたこと、実際、過積載もさせていたことは確かに事故の重大な要因になっていたかもしれないが・・・。
400億円以上の資産と多くの信者を持っていた彼は、沈没事故をきっかけに追われる身となる。
太陽と天王星(変化)の凶角を持っていて、運気が突然に悪化する。
彼が善人か悪人かは、私には興味はない。
こういう人生もあるということだ。
このユ・ビョンオンの新興宗教のクウォンパには面白い教義がいくつかある。
その中に、
「悔い改めを繰り返すのは救われていない証拠であり、悔い改める必要はない」
「救われた者が犯す罪は成り立たないので悔い改める必要がない」。
この教義のままならば、彼は反省していなかったろう。
ただ運が悪かっただけだ・・・。
でも、自分は追われる身で、この世に逃げ場がないことを悟っていただろう。
逃げ惑い、たどり着いた梅林。
そこで酒の飲めないユ・ビョンオンは焼酎を開ける。
彼は6月の香る梅林の中で、焼酎やマッコリを呑んで、独り何を眺めていたのだろうか。
この世から満天の星空の中に逃げるつもりだったのか。
星は、7月下旬に大きな損失があることを告げていた。
彼はそれより早く命を失い、肉体は腐敗した。
彼は、本当はもう少し長生きをして、天罰を受ける宿命。
それを拒絶した?
それとも、実は腐敗した変死体は別人で、本当は信者がかくまい続けている?
どちらにせよ、7月下旬に彼は“失われた”のだ。
星が告げる人の在り方。
こういう形もあるということだ。